無意識日記々

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アルバムを買いたいか?解体か?

定額ストリーミングサービスでは、"アルバム"という単位が相対化される…って表現だと抽象的だな。直接的に書こう。そもそもアルバムをストリーミングでリリースしたとして、全曲聴いて貰えるだろうか?という懸念があるのだ。

3000円のCDを購入しておいて一回も全曲聴いてみない、というのはかなりレアケースだと思っている。とりあえず一通り聴いてみてそれから一度も聴かない、という事はあるだろうが、やはりお金を払っている以上、元が取れないかなと耳を傾けてみるだろう。

定額ストリーミングだとそれがない。たとえ宇多田ヒカルのニューアルバムがリリースされようと、どこかで話題になった曲以外には目もくれない、というケースが増える気がする。

日本での定額ストリーミングサービスが今後取り込むであろう層は、恐らく今までCDレンタルを利用していた人たちだ。CDを借りてヒット曲だけをチェックする、というのはCDを買ってそれをするより遥かにありそうな事。それがそのままストリーミングに流れる、と想像する。

そこまではいい。更に今迄わざわざ購入してくれていた層がストリーミングに流れるとすると「"聴かれ方"がぞんざいになる」のではないか。そういう事だ。

そう考えると、ただCD発売日にアルバムをストリーミングしたとしても弱い。配当は再生回数に応じる筈なので、買って貰えれば聴かれようが聴かれまいが関係なかったCDやダウンロードとは違い、もっと曲毎に訴求力のある対応方法が必要になってくるだろう。

例えば、やや無理矢理だが毎週新しい曲を一曲ずつプレイリストに載せてリリース(宣伝・プロモーション)をするようなのはどうだろう。モバイル向けの『This Is The One』の販売のように。或いは『Fluximation』の復活。全曲でミュージックビデオを制作する。何かそういった工夫がないとストリーミングでは収益を挙げられない。

ただ、もっとシンプルな方法がある。アルバムをA面とB面に分けてリリースするのはどうだろう。1時間12曲より30分6曲を2つの方がアクセスが増える気がする。朝三暮四じゃないんだからという気もするが、人の心理なんてそんなもの。勿論20分4曲を3つでも15分3曲を4つでもいい。ショートケーキをワンホールいきなり食えと言われても気後れするが、1/8を8つだと何故か食べられそうな気がほんの少し増える。ちと極端だがそういう事だ。そういうさりげないほんのちょっとした工夫でアルバムをまるごとストリーミングで聴いてくれる人を増やす必要を今感じている。

或いは…ってちょっと長くなったな。まだまだ色々とアイデアを出していきたいところだが、この続きはまた稿を改めて。