Appleがダウンロード販売をやめるとかのニュースがまた出てきた。こういう記事は、どこの国の話かよくよく注意する必要がある。
アメリカの方では音楽消費のメインが定額ストリーミングサービスに移ったが、日本の方はまだまだだ。国毎の事情を勘案する必要が、あるだろう。
日本ではストリーミングの方のラインナップが揃い切っていない。新しいものはさほど躊躇わずに食いつく宇多田ヒカル陣営が漸く参画してまだ半年も経っていない。Spotifyに至っては今年に入ってからだ。ダウンロード販売は用意しているがストリーミングサービスには居ない、という邦楽アーティストは数多い。まだまだダウンロード販売は需要が高いのが日本だ。この状況で販売終了というのは現実的ではない。
とはいえ、記事に出たのはAppleだ。彼らは、iphoneのイヤフォンジャック廃止もそうだが、やや強引に新しいライフスタイルをユーザーに押し付けてくる所がある。まだ機が熟さないうちに切り上げてくる可能性もないとは言い切れない。
そういう判断は海の向こうで勝手に為されるかもしれず、その場合、日本で変わらずダウンロード販売を続けるレコチョクやらmoraやらにユーザーが流れるだけだろう。
一方で日本はiphoneのシェアが高い国でもある。iOSだからといって他のダウンロード販売サイトが使えない訳ではないのだが、やはりiTues and its StoreやApple Musicがいちばん使いやすいだろう。
恐らく実現は難しいのだろうが、DoCoMoがdストアサービスを抱き合わせて契約を結ぶように、AppleもApple Musicを抱き合わせてiphoneを契約できるようにすれば、趨勢は変わるかもしれない。
いずれにせよ、もっとステップバックすれば、日本の音楽コンテンツ消費の核は相変わらずCDである。そこを無視してダウンロード販売をやめるとかストリーミングサービスを拡充させるとか言っても仕方ない。まだ暫くは静観でよいだろうて。