無意識日記々

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7年前の業、吉と出るか凶と出るか

両刃の剣だったな…と今になって思う。この7年、ヒカルのライブを待望する者達が将来に夢を馳せ見返した回数の最も多い映像作品は『WILD LIFE』であろう。最もクォリティーが高いというのもあるが、シンプルに、いちばん新しい。それでも7年前だけど。

何回も見返していると、ライブならではのアレンジも頭に入ってくる。スタジオバージョンとの違いを把握し、ここがこう違うから、と何度も頭の中でシミュレートする。ここは手拍子、ここは合唱、ここで拳を突き上げよう―そんな風に来るべき日のライブの予行演習に励む。身体は動かさなくても、心は会場に飛んでいる。

その当日に会場に居た聴衆から、一際大歓声を浴びたライブアレンジがあった。その瞬間、空間の温度が1℃上がったような。確かに、効果的だった。しかし、これを予行演習してしまった人は、今年のツアーでこの曲を迎えた時に、どうしたって期待してしまうのだ。これは全国ツアーだから、毎日会場が違う。全く同じでは有り得ない。だから、期待するのは無理がある。しかし7年間ずっと聴き続けてきたライブアレンジなのだ。果たしてヒカルは、この7年間で膨らみきった期待にどう応えるのか。両刃の剣と言ったが、本当に悩ましいのだ、この、『traveling』のラストで、『みんな盛り上がる時間だ』に続いて『どうしてだろうか』のメロディーに乗せて『横浜アリ〜ナ♪』と歌ってしまった事は。

最高に盛り上がった。それは、DVD/Blurayを観れば明らかだろう。しかし、これに慣れてしまった私たちに対して、今年の全国ツアーの、横浜アリーナ以外の会場でヒカルは『traveling』をどう歌えばいいのか。

静岡エコパアリーナとかならいい。大体ハマるからね。でも、これが代々木第一体育館だったらどうか。千葉マリンスタジアムだったらどうするんだ。8文字前後でないとハマらないんだぞ。みんな、『traveling』のエンディングでリズムがアウトした瞬間に身構えてしまうんだぞ。もし普通に歌ったらガッカリされてしまう。せっかく普通に歌ったのに!

これは実にゆゆ式、いやさ由々しき問題だ。いちばんの解決方法は『traveling』をセットリストから外す事だが、それは違う種類のガッカリを遥かに多く生むだけだからやめたほうがいいか。まぁなくても名曲だらけだから何とかなるんだけどね。『WILD LIFE』では『Can You Keep A Secret?』歌ってないけど、それでもあんなに満足な内容になった。普通なら考えられないよ年間第1位の超特大ヒット曲を歌わないなんて。

まぁでも、現実的には、エンディングのアレンジ自体を変えればいいよね。あそこでスロウダウンせずにメドレーで次の曲に繋げるとかすればいい。そこを勢いで押し切れば案外気付かれないだろう。とはいえ、やってくれたらそれはそれで楽しみだ。今後も「横浜アリーナ限定ライブアレンジ」として定着したらちょっと面白いんだけれどね。