そうか、『Don't Think Twice』の方は動画が複数あるのか。知らなかった。それで再生が分散してるのね。こういう指摘は有り難い。私は結構うっかりさんなので。
コメントは一応目を通しているが大体返信を始めるといちエントリー出来てしまうので毎度の事ながら自重中。たまーに気まぐれでコメントしますけど。
少しずつ話を進めていこう。焦らない、焦らない。(Don't say twice ! Lol )
まず、1と2の主題歌に関してである。『光』/『Simple And Clean』と『Passion』/『Sanctuary』は今や泣く子も黙るキングダムハーツの名曲として王国に君臨しているが、いずれも発売当初の評判は芳しくなかった。覚えてるかな、皆。
『光』は3週連続オリコン1位という輝かしい記録を持っている為、当時の事をリアルタイムで知らない人はピンと来ないかもしれないが、順序としてはあの『traveling』の後のシングル曲だった。『traveling』の持つ世界標準の、いや世界でもトップクラスのPop-Music-Tasteと、『FINAL DISTANCE』に続いていよいよ極彩色の強まった日本の誇るミュージック・ビデオの組み合わせは、宇多田ヒカルが『異次元突入』を果たしたとして熱狂的に受け入れられた。CDシングルは年間3位、DVDシングルは年間1位の売上だった。それに続いた『光』はまさかの漢字一字のタイトルに、縦書きの歌詞カードも納得の『traveling』の英語リフレインとは対極にある日本語を主体としたサビのメロディー、更に2曲続いた極彩色のビデオはどこに行ったんだというあの「皿の裏を洗わない」ミュージックビデオ、と正直なところ「確かにいい曲なんだけどちょい肩透かし」な楽曲として当時は受け入れられた。実際、その次の『SAKURAドロップス』は
宇多田ヒカル必殺のバラードと復活した極彩色のビデオの組み合わせで再び好評を博す。まぁ物凄いレベルの高い話なんだけどね。CDシングル『SAKURAドロップス/Letters』は年間6位、『光』は年間10位なのだから。
また、ゲーム「キングダムハーツ」もスクエア・エニックスとディズニーのコラボレーションという事で注目度は高かったが、当たり前だけど1作目なので今のような「ゲームの熱狂的なファン」は存在しない訳で。やがて、プレイした人たちからちらほらと「ゲーム内で聴く『光』は物凄くハマっていた」という評判を聴くようになる。また、宇多田ヒカルのファン層がやや入れ替わるのもこの頃で、ここらへんから新しくファンになった層は当然ながら『光』が一番人気だったりする。『光』の評判は、年月をかけて今の地位にまで辿り着いたのだ。
ここらへん、ヒカルのファンとJpop全体のライトファン、更にゲームファンが折り重なって複雑な位相を形成しているので分析は容易ではない(しする気もない)。しかし、『ヒカルの5』以降のヒカル自身による『光』の扱い方もあいまって、徐々に人気を確立していったのはリアルタイムに発売当時の(今と較べれば数少ない)Webでの反応を見ていた身として、保証したい。何しろ16年も前の話なのだ。私の記憶を疑ってもいい年月である。信じるも否も読者である貴方次第。歴史は難しいのです。