確かに、アルバム『初恋』に『Don't Think Twice』(二度考えるな)というタイトルの曲が入ってたら、「『First Love』アルバムの二番煎じと言われるのを気にしてムキになっている」とか曲解される恐れがあ…いやそんな事考えるの自分くらいと違うか…。
でも、前も書いたように「初恋は二度訪れない」のである。常識的には。それに対する返答が『初恋』の歌詞にあるかどうかは、劇中では歌詞を全部聞き取れていないので判断は来週に回しておくけれども、嗚呼、今夜ドラマの放送だねぇ。また大盤振る舞いしてくれるかな。
他方、椎名林檎トリビュートアルバムの店頭陳列日でもある。「丸ノ内サディスティック」のスタジオバージョンがいよいよ登場である。が、やや冷めた目で見ているのも確か。「MUSIC HUB」でのバージョンは、カラオケという気軽なフリ、言わば"逃げ道""言い訳"を伴った状態でそれでも本能で歌ったから高揚感のあるテイクになった、とみている。スタジオで練ったとすれば、そういったその場の勢い、"ウェ〜イ!"なノリから離れた所で価値を見いだせなくてはならず、堅苦しい話になるが「今この歌をカバーする理由」を見せてくれないと納得できない、かもしれない。
そんな事言っていつもヒカルの歌唱力に寄り切られている気もしますが、寧ろ今回注目すべきはなりくんの歌唱力向上か。なんだかすっかり「宇多田の身内」から「邦楽市場期待のアーティスト」へと遷移した雰囲気だが、それは単にあんまり宇多田ファンが食いついていないせい、ともとれる。そんな中で披露する彼の歌唱力がじわじわと浸透していくと共に、その歌唱力自体もじわじわと上がっていくような気がする。元々素質で歌っているらしいので、経験を着重ねていく感じとでも言った方が適切かな。今回のトリビュートアルバムでまた彼の知名度がじわっと上がる。歌が上手いと言って貰えれば儲けものだろう。
リリースのタイミング自体は、いいんだか悪いんだか。これが2015年だったら大ニュースだったかもしれないが、新曲発表に挟まれたデュエットカバー曲、ではな。二時バカみたいに林檎嬢とヒカルのデュエットならまだ何かあったかもわからないが。一方でお互いの20周年に花を添える"お宅訪問"みたいな風に捉えられれば、なかなかに効果的。勿論他にも多数アーティストの皆さんが参加してはるのでそれを前面に押し出せる訳でもないのですが。
ひとまず、フルを聴いてからだな。サンプルだけで判断する事はすまい。今日はトリビュート盤を聴いてドラマを観て、というスケジュールに、なるかな。まぁこういうのは聴き始めて観始めて気分が変わったらどうにでもなるか。