無意識日記々

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近いうちに『誓い』の違いが解る

何度も繰り返して煩わしくてすみませんなんだけど、私にとって『初恋』は「2枚組のボリューム」の作品なので、どこから手をつげでもゴールが遠いような、そんな茫漠とした感覚に囚われている。足が竦むというより膝をつくという感じか。

そんななので怯まないように、或いは目一杯手抜きして、その時その瞬間に思いついた事をただ書くスタイルをより一層推し進めよう。「〜1」とかタイトルに番号が振ってあっても次回が「〜2」になるとは期待するでないぞっ!(笑)


パクチーの唄』がアルバム『初恋』における笑顔のクライマックスなら、泣きのクライマックスは『誓い』だろう。切ない歌を唄わせたら天下一品の宇多田ヒカルが何の衒いもなく泣きメロを痛切に歌い上げるというド直球の…いや、リズムが特徴的だからツーシームくらいかな…いやそんな事はどうでもいい。メロディーのオーガズムが全編に漲っている。

それなのに、いや、だからこそ、なのか、日本語の乗り方がやけに気になる。何度も指摘してきたように、本丸は英語版の『Don't Think Twice』である。まだ公式には『誓い』と『初恋』のどちらが先に作られたかについての言及はない(…よね?)のであるが、私の中では最早確定事項である。

勿論、日本語詞自体はフックライン満載で、印象に残るフレーズだらけである。『永遠の誓い日和』とか『朝日色の指輪にしよう』とか『陽の昇る音を肩並べて』とかそれだけで何かのキャッチコピーになりそうなラインがズラリと並ぶ。歌詞自体が強力なのは疑いが無い。

それでも日本語に幾ばくかの、違和感だと言い過ぎだな、"よそよそしさ"みたいなものを感じながら聴いてしまう…と思っていたら楽曲の最終盤に『Kiss me once, kiss me twice』と英語の歌詞が踊り始める。まるで我慢し切れなかったかのように登場するこの歌詞のメロディーへのしっくりさ加減ときたら。なんだろう、最初聴いた時「あーあ」と思っちゃったよ。何しろ英語タイトルの『Don't Think Twice』同様"twice"って単語使っちゃってるからね。どうにもいい日本語がなかったのか、或いは最初からここは英語と決めていたのか。

まず気になるのはこの部分が『Don't Think Twice』でも『Kiss me once, kiss me twice』のまんまなのかという点だ。違ったら、つまり日本語バージョン専用の英語となってちょっと面白いだろうな、とは思うだろう。そのまんまやったら「やっぱり日本語思いつかへんだからやないの」と意地悪な見方も出来るけれどもこのジャストフィットさ加減を知れれば経緯なんてどちらでもよいかもしれない。

アルバム『初恋』のひとつの頂点たる『誓い』。それが実は『Don't Think Twice』の露払いだったら…想像するだに愕然とする。となると、アルバム『初恋』は今後どこかの時点で(2019年1月19日がいいと思うのだけどね)『Don't Think Twice』が発表される事で漸く完成するのではないだろうか。兎に角、『Don't Think Twice』は超強力である。この順序での発表は大正解だ。

日本語の『誓い』が好きな人は気を悪くしたかもしれない。私だって大好きなのだが、よりナチュラルで堂々とした『Don't Think Twice』を一部でも聴いてしまうと、アルバム発売一週間にして次のリリースへの期待感が膨らんでしまうという事態に陥る。『誓い』も『Don't Think Twice』も凄すぎるのだ。本当に「宇多田ヒカルの必殺技」という気がする。


ちょっと追伸気味に補足しておくと、この『誓い』のピアノによるリズムは、ヒカルの言う通り結構オーソドックスなものだ。トレイラー公開時はそれをかなり変則的に捉えられたのでヒカルが不思議がっていた。

理由は単純で、ピアノの弱拍がかなり弱いのだ。その為、ハイレゾやCDのようなダイナミックレンジの広い環境では問題ないが、スマホYouTubeをみたいな環境では弱拍が殆ど聞こえず、リズムが成立しないのである。音源を作ったら最高級の再生環境からスマホガラケーに至るまで様々なシチュエーションで聴いてみるべきだと思うのだが、それを怠ったのかな。ちょい意外だった。ヒカルもスマホ組ちゃうん?