無意識日記々

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so intimate in my room

英国のヘヴィメタルバンド、ブラック・サバスが1970年の2月13日金曜日にデビューした話は有名だが、同じく英国のクイーンのデビュー日も13日の金曜日だったという事実は余り知られていない。1973年の7月13日の金曜日。そう、45年前の今日である。本日も13日の金曜日。大変お日柄もよろしいようで。

クイーンといえばフレディ・マーキュリー。昔ヒカルがご執心だったのはつとに有名で、彼女の自伝的楽曲である『Animato』ではエルヴィス・プレスリーレッド・ツェッペリンと共に直接歌詞に固有名詞として出てくる。いや、別に歌詞に登場したからといってご執心である訳ではない(ウィノナ・ライダーのファンだとか言ってた事あったか?)のだけれど『きゃーフレディ!』とハシャいでいたのだから間違いなかろう。

ヒカルの楽曲にはこの『Animato』のように"intimateな"歌詞とサウンドのものが時折みられる。同じく『EXODUS』からはプロポーズの葛藤を歌った『About Me』もそうだし、ベッドでチョコを頬張る『Me Muero』もそうかもしれない。日本語楽曲では『In My Room』に始まり『For You』、『日曜の朝』、『WINGS』などか。要は「ヒカルの部屋に居るような」歌だという事だ。

前作『Fantome』ではそういう感じがやや少なかった。強いて挙げれば『人魚』がそうだったかもしれないが歌詞がメルヘンなのでリアルではなかった(比喩としては現実の反映だろうけど)。久々に戻ってきたという事でリラックスしきれてなかったのかもしれない。その分、緊張感は高かったけど。

今回はヒカル本人も『遊び』を強調しているように、リラックスして、余裕と自信をもって楽曲が生み出されている事がわかる。前半のシングル曲群は徹底して「外面」だが、『Too Proud』から一転、『Good Night』に『パクチーの歌』『残り香』とまぁ"intimate"な楽曲が続いていく。ラジオでかかるキャッチーなシングル曲でしか宇多田と接しないライトファンが知らないヒカル。こういった側面を味わえるのがアルバム購入者の特権だ。

歌詞の内容も手伝って、特に『Too Proud』『Good Night』『残り香』で感じられる、『Me Muero』にも通ずる「ベッドで寝そべってチョコを頬張っているような」親密さは筆舌に尽くし難い。故に大きなライブ会場では演奏しにくいだろうから、ここは「Unplugged part2」を開催してヒカルに「In my roomへようこそ」と言って貰いつつ、フルバンドでは演奏しづらい楽曲ばかりを集めたスペシャルライブを開くべきだろう。抽選当たる気がしないけど。