無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

#裸婦抱く 華やいで没頭して又華やいで

SAKURAドロップス』のキーボード・ソロ、どこまでを誰が弾いていたかは判然としないまでも、そのフレーズの切れ味は素晴らしく、基本的なアイデアはヒカルが受け持ったものだと思われる。今までピアノで弾き語り伴奏をするところまではライブで披露していたが、ソロ演奏となるとこれが初めて、でいいのかな? 『In The Flesh 2010』でバチを持ってドラムソロをしたことはあるが…まぁあれはソロとはいわんか。

ただ決まったコードを弾くことが主体の伴奏と即興を伴った独奏・独演では意味合いがかなり違う。その初めての選曲に『SAKURAドロップス』を選んだのは、前述した通り曲調がある程度内向的で、演奏しているうちに内面を曝け出してしまうソロ演奏を加えるのに相応しかったからだろう。これが『Kiss & Cry』なら遊び心溢れる、聴衆に“聴かせて楽しませる”ソロが要求されただろうから、今のヒカルの鍵盤演奏の技量では(慣れの面で)まだまだ難しかったかもしれない。心の赴くままに弾き倒してもOKな曲調でこの場に相応しい強度を持った曲、となると『SAKURAドロップス』くらいになるかな。伴奏から崩して入れるなら『WINGS』でもよかったかもだが、アリーナ向けではないからねぇ。

Kiss & Cry』で華やいだ雰囲気を一変させて『SAKURAドロップス』のディープな世界にのめり込ませた後、再び鮮烈な音色で華やいだ空気が戻ってくる。スタジオ・バージョンとは異なる旋律ではあるが、あのアコースティック・ギターの音色で切り込んでこられたらこの曲しかない。『光』の演奏が始まった。

『ヒカルの5』ではオープニング・ナンバーとして足許のガイドランプの点滅でスタートのカウントを取って全くの暗闇の中から唐突に始まり鮮烈な印象を与えた『光』だったが、こうしてイントロを交えて始まる『光』もまた乙なもの。そして今回はストリングス・アレンジ大幅増量である。これが実に麗しい。

『光』のストリングス・アレンジというと『20代はイケイケ!』の『Simple And Clean』を思い出すのだが今回のそれはまた違っていて…って、ちょっと長くなっちゃったな。続きはまた次回から。