タイムラインがPSVR廃人だらけに見えるのは気のせいかな? 皆楽しんでいるならよいことだ。こちらも安心して頑なに意固地なスタンスを維持出来ますわ。
前回ファンクラブだ写真集だ言ってたけど、もっと直接的に言えばVRの恩恵を受けられるのってアイドルやセクシー女優の皆さんなのよね。ファンが「目が合った」とか「俺だけのために」とか思えるようなコンテンツだからね今のところ。なのでヒカルを性的に見ている人はPSVR買いだよね。あれ、それじゃ俺買わなくちゃいけないじゃん。…まぁそれはいいとして。(笑)
無意識日記さんは無意識日記さんらしく行こうか。監督が竹石渉氏ということでいよいよ本格的にミュージックビデオにこの路線を取り入れるのかと思わされる。インタビューを読むとVRでカメラを動かしてるんだと。書いてあるように普通はカメラ固定だろうからそんなことして大丈夫なのかなとは思うがやはりそこはクリエイター、“作品性”に対する嗅覚があるのだろう。“何かしなければダメだ”と嗅ぎ付けてくれているのは頼もしい。ちょっとチェックしてみたくなっちゃったじゃん。
自分がいちばん興味を持っていたのは、しかし、音声だ。これも記事によると5.1chなどではなく2ch、つまり普通のステレオなんだと。ダミーヘッド録音のように2chでもある程度の指向性は表現出来るので即断は愚かだとはわかってはいるものの、やはりまだ実験段階というか…いや、もっとハッキリ言った方がいいな、相変わらず「音楽が主役じゃない」よね。
自分が横浜でコンサートを見た時、アイランドステージ(この言い方なかなかいいね)でヒカルが『誓い』を歌い始めた際自分の視界の右側にヒカルが居るのに歌声が左側から聞こえて奇妙だった、という話はしたわね。自分がステージ向かって左側のスタンド席に居たからだが、実際のライブ会場でもそんなことは起こるのだ。
なので、別にVRでも音声がそういう風に「居ない所から声が聞こえて」きていても全然構わないのだけれど、リアリティを徹底するなら自分が左に首を回せば歌声が右耳から聞こえてきて右に首を回せば左耳から歌声が聞こえてこないといけない。今のVRは首を回すどころじゃない対応をみせてくれるので、結果色んな方向から歌声が聞こえてくるようになっていないといけないのだけど、どうやら、そうはなっていないようだ。
しかしこれは、繰り返しになるが“行き過ぎ”である。実際のライブ会場でも、たとえ自分のためだけにヒカルが目の前で歌ってくれたとしてもマイクを通してヒカルとは違う場所に在るスピーカーから歌声が聞こえてくるのが本当の現実でなのだ。私が今述べた事を達成できてしまうとその現実を追い越す事になる。マイクなしてヒカルの口から出ている音声を聴いているような体験が出来るなら、ここにきて初めて音楽が主役となってVRと対峙できるようになるだろう。マイクを使わない歌唱を個人に届ける時どのようなアプローチがいいか、歌手は考え始めなくてはならなくなる。実際の収録はマイクを使わなきゃいけないんですけどね。
…なぁんてことを言っていても、今回は音楽のターンではない。ヒカルをグラビアアイドルの如く嘗め回すように鑑賞する為に今回のVRはある。音楽鑑賞にプラスになる何かや音楽家のインスピレーションに訴え掛ける何ががある訳ではない。ヒカルはただの音楽家に留まらずその立ち居振る舞いや見た目にもニーズが沢山あるのでそれに応えるのは全く間違っていない。自分も皆が楽しんでくれているのを見れて嬉しいし。しかし、飽きるほど何度も言うけれど、鑑賞対照としての作品の質に貢献する段階ではない。それはもう、今後も何回でも言い続けるよ。だって、みんな歌聴いちゃいないんだもん。(笑) せっかく2曲も新しい擬似ライブテイクテイクが手に入ったのにさ。…あれ?もしかして音声スタジオ版なの??