無意識日記々

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Let you face my tears

Let you face my tears

少ない歌詞に英語のフレーズを繰り返すリフレイン、とくれば今までは『Be My Last』だったが、今回からそれに『フェイス・マイ・フィアーズ』が加わった、という気がしている。

そもそもこの曲はSkrillexの提案が端緒なので、曲作りは『Face My Fears』の方、即ち英語詞から始まったと考えて差し支えないだろう。歌詞の意味がダイレクトにわかった方がサウンドも作りやすい。幾ら翻訳してもらっても、日本語詞よりは想像力を掻き立てられるだろう。

実際メロディーに対する歌詞の乗り方は『フェイス・マイ・フィアーズ』より『Face My Fears』の方が滑らかだ。特に『Watch me cry all my tears』の一節などはメロディーと歌詞がほぼ同時に出てきたのではと思わせるナチュラルさである。

この一節はサビの『Let me face, let me face, let me face my fears』の繰り返しを受けて『fears』と『tears』の韻を踏ませたものだ。『me』─“私”にとってリアルな現実は『Fears』─“恐怖”という感情だが、『you』─その“私”を見る貴方が現実に知るのは流れる“涙”─『tears』である。

つまり私が恐怖と向き合う─『Let me face my fears』一方であなたは私の涙を見てくれと。即ち言い換えると『Let you face my tears』になるかな。

同じ少ない歌詞、投げ遣りなまでの繰り返しのサビは共通でも、『Be My Last』はメロディーの最後を『あああああああ~』とあやふやに終わらせるのに対して『Face My Fears』ではこうやってきっちり結論としての要望・希望を提示している所が違う。故に『Be My Last』は漂う余韻を各自が噛み締め味わう感じだったが、『Face My Fears』はきっちり御馳走様を言って箸を置く感じ?それは卑近な喩えに過ぎるにしても、余韻が引き締まった印象を与える。とっつきやすさではこちらの方が上だろう。単純に比較するものでもないのだけれど、結局、こうやって強さに裏付けられた安心感みたいなものを感じさせるのも、ヒカルの成長の証なのかもしれないわ。