無意識日記々

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地図が先かサイコロが先か

『PINK BLOOD』に関しては、ヒカルの『この曲、実は最近出したものの中で一番古いんですよ。』発言のお陰で今まで書いてきた事を色々と修正しなければいけなくなっているのだがはてさてどこから手をつけるべきなのやら。まずは発売順に作ってあるプレイリストの『PINK BLOOD』の演奏位置を変える所から……って、これ、『Time』の前なのか『Face My Fears』の前なのかどっちなんだろうね?

前にも少し触れたかと思うが、『PINK BLOOD』の歌詞は『Face My Fears』と幾つかの部分で対になっていると捉えると見通しがいい。歌詞を対比してみてみよう。

①:

『ねぇ どれくらい ねぇ 笑えばいい

 今伝えたいこと よそに』

『他人の表情も場の空気も上等な小説も

 もう充分読んだわ』

こう並べると、『Face My Fears』では他人の顔色を窺っていたのが、『PINK BLOOD』ではそういった事から解き放たれているようにみえる。

②:

『私の地図に載っていない道に立ちたい』

『サイコロ振って出た数進め

 終わりの見えない道だって』

どちらも「道無き道を行く」態度だが、『立ちたい』と願っていた『Face My Fears』に対して、『PINK BLOOD』ではもう前に進もうとしているようにみえる。

Watch me cry all my tears』

『A handhul teardrops fall to the floor』

『Face My Fears (English Version)』の歌詞と『PINK BLOOD』の『(あなたの部屋に歩きながら)床に何個も落ちる涙』の部分の英訳詞というやや変則的な対比。どちらも非常に描写が美しいので取り上げた。「泣いてる私を見て」と言っていたのが、一人で人目を忍んで泣くようになったようにも思える。

『Lose, don't have nothing to』

『I'm not afraid of losing that thing』

同じく英詞と英訳詞の対比。『PINK BLOOD』は『失うことを恐れないわ』の部分。『Face My Fears』のそれは「喪失。そんなの関係ない。」というような意味だろうか。「失うものは何もない。生きてりゃ得るもんばっかりだ!」みたいな感じかな?

『私の知らない私に早く会いたい』

『もう知ってるから』

結論を言えば、この最後の対比に現れているように、『Face My Fears』が先にあって、次に『PINK BLOOD』が来たと考えた方が自然な流れになるように思える。勿論、それぞれ「キングダムハーツ3」と「不滅のあなたへ」のテーマソングなので、それぞれのタイアップを意識した歌詞も含まれているだろうし、それらがひとつの流れの中に順序だって置かれているとか相互に関連しているとかそんな必要は全く無いのだけれど、何れの曲もヒカルの私小説的な側面を描写した歌詞のように聞こえているので、時間的順序を考察するに値すると考えた。果たして真実や如何に。

…………願望や希望を歌う『Face My Fears』より、決意して進もうとしている『PINK BLOOD』の方が後の気がするのよね、やっぱりね。