さて、英語版の方が先に出来ていた、という仮定に基づいて『Faith My Fears』『フェイス・マイ・フィアーズ』の歌詞を見直してみよう。『Face My Fears』の方から。
『Breath, should I take a deep ?
Faith, should I take a leap ?
Taste, what a bittersweet
All my, all my life』
これに対応する『フェイス・マイ・フィアーズ』の歌詞はこう。
『ねえ どれくらい
ねえ 笑えばいい
今伝えたいこと よそに』
これを見れば、最初の『ねえ』は『breath』と、次の『ねえ』は『Faith』とそれぞれ置き換わっている事が見て取れる。しかし、『Face My Fears』の方は実際のところ、
『BREATH, should I take a deep ?
FAITH, should I take a leap ?
TASTE, what a bittersweet
All my, all my life』
と大文字で強調した『BREATH』『FAITH』『TASTE』の3つが並列して並んでいるのだ。メロディー上もこの3つのラインは似たような動きをする。しかし『フェイス・マイ・フィアーズ』では3つ目の『TASTE』に対応する語は『今』であって『ねえ』ではない。ここが『フェイス・マイ・フィアーズ』の日本語詞の要点となる。
2番も同様に1つ目の『ねえ』が『lose』に、2つ目の『ねえ』が『space』に対応しているのだが3つ目の『ねえ』はなく、『いない』が対応している。即ち2番の歌詞は
『(ねえ)生まれつき
(ねえ)臆病な人なんていない
初めてのように歩きたい』
という表記になっているが、
『ねえ 生まれつき
ねえ 臆病な人なんて
いない 初めてのように
歩きとに』
と書き換える事ができる。これを眺めれば、英語詞の方、
『Lose, don't have nothing to
Space, this is what I choose
A mile, Could you walk in my shoes
All your, all your life』
との対応がよりわかりやすくなるだろう。
こんな感じで歌詞を整理し直して──さて続きを次回書くかどうかは神のみぞ知る(笑)。