無意識日記々

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新しい慣用表現として定着しねーかな

これらの3つの『肩』のうちでもやはり『残り香』の『肩を探す』がいちばん耳と目を引く。世が世であればもしかしたら他の慣用表現同様日本語として定着するかもしれない、と思わせるくらいに。

『肩を持つ』や『肩入れする』などの表現からもわかる通り、『肩』は『仲』にも通じる。肩を並べ合った同士は仲良しかライバルだろう。恐らく『残り香』の2人も当初は肩を寄せ合い仲睦まじかったのだが、いつのまにか片方が寄り掛かってばかりになり、やがて仲違いを…という風に推察される。

ここが『残り香』が普通の失恋ソングと違う所だ。前回指摘した通り、この歌はただ恋人同士や夫婦が別れたというだけでなくどういった理由や背景で別れたかまでを描写している。それをほぼ一手に引き受けているのが『肩を探す』の一節なのだ。ここまで饒舌な“新語”もなかなかない。ただ響きが新奇なだけではなく、託された役割自体にオリジナリティがあるからこそこの一節は聴き手に鮮烈な(そして特異な)印象を与えている。

同じく『残り香』で鮮烈且つ特異な印象を与える一節といえば『つい先程』もあるよね…という話の続きはまた稿を改めて。