無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

「なる」と「する」⑥

タイトルが重い。わかってて書き始めたんだけど。ま、行くか。

『Fantome』から『初恋』への流れは、『真夏の通り雨』や『花束を君に』で母の死と向き合いどのように昇華して前向きになっていったかを描き、『あなた』で新たなるモチベーションとして我が子をテーマにし、『Play A Love Song』で「また前みたいにラブソングを歌っていっていいですか?」と答えのわかりきった(笑)問いを投げかけてくるまでの、ヒカルが表舞台に戻ってくる物語だった。『道』の『You are every song.』から『Play A Love Song』の『Can we play a love song?』の問い掛けに至るプロセス、と言い換えてもいい。

その中で『あなた』が重要な役割を果たした事はほぼ自明といいますか。ツアーでのオープニングを飾った事も象徴的だ。曲順はなりくんが提案したのかもしれないが、ヒカルが選んだとしても同じく『あなた』を1曲目にしていた可能性はある。まぁ、上記の通り『道』で『You are every song』と歌ってショウをスタートさせ『Can we play a love song?』と問い掛けてセットリストを終了させた方が20年の俯瞰的視点から言えばわかりやすかったかな、というのは相変わらずありますけどね。

『あなた』で描かれているのも、しかしながら、結局の所は「親子」なのだから因果と言いますか。音楽家を続けるモチベーションは人によってまちまちだろうが、音楽屋が“継いだ家業”という意識がある以上親子関係が奮起材料になるのは必然的とも言えるのか。となるとダヌパにも音楽やって貰うことになっちゃうんだけどヒカルは気づいているのかな。勿論、ヒカルの性格からして「好きなことをやればいい。寧ろこんな大変な仕事はオススメしない。でもやってくれるんだったらそれは嬉しい。」といったスタンスなのではないかと踏んでいるが、既に三代以上続く音楽屋の系譜、なかなかに運命や宿命が強いと思うから嘯いてはいられない感じもちょっとあるぞ。

となると彼のデビューは『こーりゃなんだ? コリアンダー!』の『パクチーの唄』ということになるな。そういえば彼はパクチー好きなのだろうかな…と益体の無い事を考えつつまた来週。── いつにも増して唐突な切り上げ方だなっ!(笑)