無意識日記々

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「なる」と「する」⑤

ヒカルは、気がついたらプロのミュージシャンに"なっていた"人である。デビューを夢見て何度もオーディションを受けては落選し漸く…みたいな経歴ではなく、デビューアルバムも三宅プロデューサーに「日本語の曲書いてみたら?」と提案されてそのまま出来上がったものだ。ここは母親そっくりで、「周りにああせえこうせえ言われるままにやるだけ」からスタートしている。ただ、これも母親そっくりなのだが、ひとたび作業に没入すると誰も真似できないクォリティに仕上げてくる。何をやりたいというのはないが、やりだしたら『止まらないんだよ』(©️ヒカル2005.12)な人である。あった。

今のヒカルは違う。3年前の復帰は「自分から言いだした」んだそうな。つまり、今の仕事はやりたくてやっている。とはいえ基本的な仕事のスタンスは変わっていない。音楽屋として注文が来なくなったら廃業する。もっとも、今の知名度からどれだけ没落しようと注文がなくなるなんてことは現実には起こりそうにないけどね。

そうなってくると、活動を続けるにあたっての内在的なモチベーションのありようが問題になってくる。お母さんが元気な頃は「嫌になったらいつでも辞めていいんだよ」と言われてはいたようだが、この似たもの親子のことだから、本能的に「こう言えば負け嫌いなヒカルは奮起して頑張るだろう」と読んでいたのかもしれない。まぁそこはわからんね。

今のヒカルのモチベーションの最大はやっぱり息子なんだろうな

…という話からまた次回、かな?