無意識日記々

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そもそも『COLORS』は別れの歌である事を踏まえて。

『COLORS』の英訳詞でもうひとつ気になったセンテンスといえば

『今の私はあなたの知らない色』

のところだ。ここをヒカルは

『Right now, I am a color that you don't know』

と訳した。ほぼ直訳である。まぁそれならスルーしとけばいいようなものだが、あたしゃここで引っかかった。自分の場合ここを

『I am in a color you don't know』

と訳していたからだ。"in"の有る無しの違いがある。

何が変わるかと言えばこの前段、

『もう自分には夢の無い絵しか描けないと言うなら

 塗り潰してよキャンバスを何度でも』

と歌っている。私が"in a color"と訳したのは、ここの歌詞を

「あなたはあなたの絵を描けばいいじゃない

 でも今の私はあなたの知らない色に染まっているから

 あなたは私の事を描けないわね」

という風に解釈していたからだ。"I am in a color"は「私はその色に染まっている」という感じ。

ところがヒカルの『I am a color』。「私はその色そのものだ」という雰囲気になりはしないか。だとするとこの箇所は、

「あなたはあなたの絵を描けばいいじゃない

 でもあなたは私という色を知らないから

 私を、私という色を絵筆にとって

 絵を描こうとは思いももよらないでしょうね」

なんて感じにならないか。

だとすると、あたしの解釈とヒカルの解釈ではどちらから別れを告げたのかで意見の相違があることになりそうで。まぁ、ヒカルが作者だからあたしが16年間歌詞の解釈を間違ってたということになるんだけど。皆さんはここの歌詞をどう解釈されていただろうか。

"in"があるかないかでこれだけのことが気付かされる。やはり英訳詞の観賞は非常に楽しい。