無意識日記々

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結構定期:『after the battle』再評価

まだ冬どころか秋も来ていないような気候なのだけれどついつい冬らしい透明感溢れる『Passion ~ after the battle ~』を聴いて冬気分に浸ってしまった。実にいい。

このテイク、『Passion』のシングル盤にしか収録されていないが若いファンの皆さんはどれくらいチェックしているんだろう? 万が一リミックスと勘違いスルーしてる人がいるならサブスクリプションには置いてあるので今すぐ聴いてみてほしい。いわばこのバージョンは『DISTANCE』に対する『FINAL DISTANCE』のようなもので、ある側面においては本家を越えているのだ。

もしかしたらリリースのタイミングなどで『Sanctuary - ending version』の方は知っている、という人もいるかな。それでも『after the battle』は必聴である。日本語の歌唱が肝だからだ。

『Passion』のシングル・バージョンやオープニング・バージョンのメロディはヒカルの当時の唱法を活かせるメロディとは言い難く、そこを補完する意味でもシングル・バージョンでは年賀状パートを付してエモーショナルな側面を強調したが、『after the battle』ではオリジナル・バージョンと同じメロディであってもアレンジ次第でヒカルの当時の唱法が大いに活かせる事を示した。

特に顕著なのが語尾の歌い方である。オリジナル・バージョンではやや張り上げ気味に歌う箇所が多くヒカルの繊細さが活かせなかったが、『after the battle』でのその語尾のバリエーションの豊富さといったらない。特にエアの抜き方が絶妙で、例えば『僕らは』の『は』での空気の震え方などは筆舌に尽くしがたい。他にも絶品の箇所が幾つもある。昔聴いたよという人も是非聴き直してみては如何だろうか。