無意識日記々

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@EnsembleFOVE の皆さん、あんさんらほんまにようやったわねぇ

昨夜触れたEnsemble FOVEの面々のツイートが続々入ってきている。彼らのうちの幾人もが(ひょっとすると全員が?)ヒカルより歳下で、幼少を「宇多田ヒカルを聴いて」育ってきた世代であるようだ。つまり、今回の『少年時代(2019)』は憧れのアーティストとの共演なのだと。今の世代は音大行ってるから商業音楽なんぞわからんわとかないんだろうな。兎に角一言々々が嬉しそうだよ。感慨無量感無量といったところか。

例えばSkrillexなんかも「キングダムハーツ」で『Simple And Clean』や『Sanctuary』に触れていたということで同じく「幼少にヒカルの歌を聴いて育った」アーティストだった。彼らが次々とヒカルとの共演を叶えていくのを眺めていると何とも言えない気分になる。デビュー20周年なんだからなんの不自然もないのだが何しろ15歳と若かったいやさ幼かったのでね。同い歳でも憧れのアーティストとかになっちゃうんだわこれ。

今後も益々ヒカルを聴いて育った人達とヒカルの共演が増えていくだろう。『Fantome』や『初恋』ではイカしたジジイどもが主体だったが、そのうちアルバムで演奏するミュージシャンが皆歳下で且つヒカルを聴いて育った世代で埋め尽くされるのかもわからない。15歳でデビューした当初はスタジオに居ても周りは歳上の大人たちばっかりで、というのが当たり前だった事を思えばえらい変化ですわな。

なぁんてことを考えてしまうのも、この歌が『少年時代(2019)』だからなのか。Ensemble FOVEのアンサンブルは非常に闊達で輝きに満ちていて、なんでこんなにはしゃいでるのだろうというのが第一印象だったのだが、こうやって背景を知るとより合点がいく。そのつもりで聴けば、弦楽六重奏が少年少女たちで、歌うヒカルがまるで母親のような慈しみ深い目線で彼らを暖かく見守っているようにすら感じられてくる。何もかもがうってつけなのだ。

ツイートの文面からは、この『少年時代(2019)』が別録りではなかった事が窺える。彼らの興奮を見据えた上でヒカルがこういう歌唱を聴かせたのだと仮にすれば、今後、ヒカルのバックを務めるミュージシャンの皆さんが若年化していけばいくほど、よりヒカルの歌の慈愛が増していく可能性も出てくる。今の時代なかなか膝を突き合わせてレコーディングをする事は減っているようだが、仮にそういった効果が歌に影響を与えているのであれば、たとえ別録りであろうともヒカルが彼らと会って面と向かって話し、自分の与えた影響の大きさを噛み締めながら歌っていく事が作品の円熟を助けていくかもしれない。それはそれで結構ロマンティックね。

勿論ヒカルはプロデューサーなのだからそういった情緒のみで物事を決定していく事はないだろう。彼らの演奏が気に入らなければ正直に言う。今回に関しては編曲からお任せということでかなりのゲスト感があったのかもわからない。彼らの“気合い”が自分に向けられているのに面映ゆい気分もあったろうか。何れにせよこうやって聴けている音と歌が答えである。間奏の瑞々しさなどは溌剌が小節線からはみ出してきそうな勢いだ。確かに、微笑ましい気持ちになるわなーこれは。

ヒカルが今回のコラボレーションを気に入ったとすれば、次はオリジナル曲で起用される事になる。その時が本当の勝負というか、うーん、めちゃ緊張しそうだよね(笑)。まぁそんなifの話は置いておいて、今はこのトラックを十二分に堪能させておいて貰いますよっと。