SMAPxSMAPに出た時に稲垣吾郎ちゃんとヒカルが互いに『Hotel Lobby』が好きだという事で意気投合していた。懐かしい。もう15年も前の話だ。ヒカルが言うには(Utadaが言ったことにゃ)『EXODUS』でいちばん気に入った曲だったんだとか。確かに、後に『Kiss & Cry』でメロディーを再利用したんだからよっぽどですわね。
この歌のストーリーは明解だ。友だちの制止も聞かず金のためだと人々の欲望渦巻くホテルロビーでコールガールに勤しむ女の子の物語。
『ホテルロビーで会いましょう
誰しも皆孤独に見える
そこに私はおもむろに歩み入り
ロビーの鏡であなたと目が合う』
今勝手に私が訳したので新谷さんは関係ない。ポイントは、昔も散々語った気がするが、ここで主人公が鏡越しに客と会う点だ。
当時ヒカルにとって「鏡」は重要なアイテムだった。『ぼくはくま』の絵本でくまが水たまりに映った自分の姿にぼんじゅーるする場面が描かれていたが、鏡を通して自我と向き合った時に溢れ出てくる感情の数々をどう御するかが昔のテーマだった。
今の歌詞にはそういった色合いが薄い。特に『Fantome』以降は『あなた』に代表されるように強烈に他者(主に二人称…ともだちやら彼女やら…)について歌っている訳で、鏡の付け入る隙がない。自分自身と向き合っているターンではないのである。
…この話は長くなるな…また気が向いたら続きを書きます。