『COLORS』生誕から18年か〜。成人直後のシングルで今年38歳だからそりゃそうなるわな。なんだか「自分の生まれた西暦年に今の自分の年齢を足すとちょうど2021になる」みたいな当たり前の話だが、こういうのって言われてみるとそれはそれで違うもんで。大体、数学ってのは当たり前過ぎる事をいちいち敢えて言う(書く)事で違う世界が見えてくる分野でな。でなきゃ公理系定めた時点で全ての定理が見通せるのかと…って朝から何言ってんだ俺。
『CCLORS』は『ヒカルの5』以降、『UTADA UNITED 2006』『WILD LIFE 2010』『Laughter In The Dark Tour 2018』と宇多田ヒカル名義のコンサートでは必ず演奏される人気曲だ。だが、例えば同じく人気曲の『First Love』が極力そのイメージを崩さないようにスタジオ・バージョンに忠実に再現されるのとは対照的に、コンサート毎に大胆にアレンジを変えてくる曲であったりもする。
そうなっていった発端は、発売前に執り行われた『20代はイケイケ!』にあるとみる。ここでは生中継スタジオに大所帯な弦楽隊を迎えて『少年時代』『Simple & Clean』と共にこの『COLORS』が歌われたのだが、今考えるとCD発売前にオリジナルとは全く違うフルストリングスのバラードバージョンを披露していた訳で、えらい大胆な事しとったんやなぁと。ここでの好評を受けて『COLORS』はどう演奏しても大丈夫という印象を確立したのではないかな。
その後『ヒカルの5』では演奏編成の違いを活かしてドラムスとパーカッションのダブルリズムで会場を熱くし、『UTADA UNITED 2006』や『WILD LIFE 2010』では『20代はイケイケ!』に準じたストリングス編成でのバラード寄りのアレンジで熱唱を聴かせてくれた。
そして驚くべきは『Laughter In The Dark Tour 2018』のバージョンだった。一番AメロBメロをすっ飛ばし『traveling』からそのままメドレーでいきなりサビから突入するというかなり斬新なアレンジでインパクトを醸成した。小袋成彬がセットリストの素案を作ったということはこれも彼のアイデアだったのかもしれないが、やはり『COLORS』というのは「どうアレンジしても大丈夫」という楽曲の骨格の丈夫さに対する信頼感が根底にあったのだろうという気がしている。
もうここまで来ると、観に行く聴きに行く方も、「今回の『COLORS』はどんな風に料理されるんだろう?」という期待を胸にしてライブ会場に赴くようになるのではないか(毎度ながらそれが実際いつになるかわかったもんじゃないが)。まさにその名の通りその度々ごとに色とりどりに変化する虹色の魅力を放つ名曲だと言えるだろう。18歳の誕生日おめでとさん。こう書いて振り返ってみると、あんた胎児の頃からえらい大活躍だったんだなw