無意識日記々

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有名曲縛り公演妄想談義

ヒカルのコンサートは毎回セットリストの新旧硬軟のバランスがいいのでそれを変えて欲しいとは思ってはいないが、一方で思考実験として「〇〇縛り」みたいなセットリストをよく妄想したりもする。

これだけ二十余年毎日かと思う程歌声を聴いていると、曲が有名か無名かというのも殆ど問題にならなくなってくる。どの曲も大体等しく慣れ親しんでいるのでその曲の個性以外の情報は消え失せるのだ。

そうなってくると、「マニアックな選曲」というのも特に響かない。シングル曲じゃないからどうというのが無くなると、自分が聴いてどうというよりは、コンサート会場で周りの皆さんがどう反応するかを楽しむ事も視野に入ってくる。

そう考えた時に、「シングル曲縛り」のセットリストでコンサートをやった場合1万人とか3万人とかの観客がどんな反応を示すのかというのは興味をひかれる。基本ヒカルはファンクラブをもたず純粋な抽選なので1万人も集めればそれは多様な客層になるだろう。有名な曲は幾つか知っているんだけど、という人達も相当来る。

となると、宇多田ヒカルという人は、その「有名な曲」だけで2時間半のセットリストを組めてしまうので、オーディエンスの反応は「次から次へと知ってる曲ばかり出てくる!」という風にになりやしないかという期待が持てる。一、二曲だけならまだしも、何曲歌ってもどれも知ってるとなったら、二時間かけて醸成されていく会場の雰囲気はどんなものになるだろうか? 妄想するに、「異様」の一言ではないかなぁ。

シンプルに『Single Collection Vol.1』と『Single Collection Vol.2』に収録されている歌をひたすら並べるだけでいいのだから、強い。ファンでなくてもどこかで耳にした事のある歌ばかりが目白押しなのだから。

最初述べた通り、(妄想の中で)居合わせるこちらは、シングル曲だらけだからといってマニアックさが薄くて物足りないなんてことは全く無く知名度に関わらずどの曲も楽しめる為あとは会場の雰囲気次第になる訳で、そうなると、その「シングル曲縛り」で作り出された「異様な雰囲気」みたいなものを味わいながらコンサートを楽しめたらちょっと面白いな、なんて風にちょっと変わった思考実験を楽しんでしまうのでした。いやはや、こういうのを「一周まわって」とか言うのだろうか。そう言えるのも、何の情報も付加されない状態で聴いてもどの曲も素晴らしいと感じられるように作詞作曲してきてくれたヒカルの力量のお陰である。いやぁ、本当に優れた音楽家ですねぇ。…当たり前過ぎる事も、こうやって何度も明らかに書くことが、いつでも大事なのでした。