無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

職人と商人と客人、各々の事情。

一昨日の夜かな? 一時的にApple Musicの接続が不調になって検索が利かなかった。音楽を聴くこと自体は問題はなかったのだが、デバイスとアプリの認証がなければ音楽へのアクセスが出来ない可能性があるというのは、やっぱちょっと不安になるやね。

自分は実はその「音楽を聴くのにいちいち認証が要る」という状況を好ましいものだとも思っている。聴き手側からすれば不満かもしれないが、作り手側からすれば自分の作った楽曲のリーチを管理したい感情というのはあるだろうから。というのも、望まれないTPOで自分の音楽を勝手に使われたくないだろうからね。支持してない政治家の集会とかね。

今までは「買ったんだからこっちの好きにしていいだろ」という理屈がある程度通っていたが、ストリーミングとなってそうもいかなくなってきた訳でな。その分定額で利用できている&大体のミュージシャンの収益は減ってるのだから痛み分けというとこか。

ヒカルさんの場合は、たとえストリーミングになっても「お好きにどうぞ」と言いそうではある。なんというか、優しさもあるけれど、職人としての態度というかね。自分の役目は作るとこまで。売るのは商人に任せるし、使うのは客人に任せるし、という切り分けが望ましいと思ってる風ではある。そこらへんの仕事観─領分を弁える・自分の領分はきっちり仕事をするし・そうでない領域には口を挟まない、というのを徹底しているのかもしれない。それは同時に自分の領分には口を挟まないで欲しいということでもあるのだろうけれど。まぁそれはさておき。

そういう意味で、細々(ほそぼそ)とでもいいから、CD販売とダウンロード販売は継続して欲しいなと思っている。冒頭でも述べたように、ストリーミングは接続による認証が利かないと利用できないというのもあるので、色んな「いざという時」の為にお気に入りの音源は何らかの形で手元に置いておきたいものだ。ストリーミングで聴いて甚く気に入って「これはCDでとっとかなきゃ」ってなるケースも、少なくとも私はあるからね。今もTRANSATLANTICの新譜をストリーミングで確保しつつ、月末の国内盤販売を心待ちにしているところだったりするのよ。

今はまだ、例えばiTunes Storeの場合だとダウンロード販売は継続してるけど、米国などでは早い時期からダウンロード販売を終わらせる情報が出てきていた。観測気球の気配もあるけれど、危機感は依然強い。音楽の利用方法の多様化を考えた場合、アクセス方法と購入方法は多岐にわたれる方がいい。

例えば今のところ、『Too Proud L1REMIX』『Time』『誰にも言わない』の3つの公式音源はCDで聴くことが出来ていない。他にもあったっけな。こういうのは、まぁ暫定的なものかもしれないとはいえ、少し据わりが宜しくない。ストリーミングを使わない人は勿論、使う人にもCDやダウンロードは有用だということは、あらためてアピールしておきたいのでした。