無意識日記々

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Beautiful Nose…

『Beautiful World (Da Capo Version)』のヒカルの声を聴いてまず最初に殆どの人がこう思ったのではないか。

「めっちゃ鼻声!」

って。

もしかしたら世の中には「鼻声エフェクター」なるものが存在していてわざと鼻声エフェクトをかける人もいるのかもしれないがヒカルはやらんだろうからこれはもう単純にレコーディング時に鼻声だったということだろう。

多分だが、スケジュールがカッツカツだったからではないかなぁこれ。他の日に録音しなおす時間が無かったという。まず感染症禍下でそうそうスタッフが集まって作業できる機会も少ないだろう、というのもあるが、そもそもこれ庵野秀明案件なのよね。彼からのオファーで実現した『Beautiful World』のリビルド。で、件の「プロフェッショナル仕事の流儀」での彼の仕事ぶりからするに、結構ギリギリでのオファーだったんじゃなかろうか。

ヒカルの方は現在シングル曲が5曲溜まっている状況だからアルバム制作に突入している可能性がある。もしかしたら仮にしても発売時期の指定も既にあるのかもしれず、ある程度のスケジュールが決まっている状態なのかもしれない。そんな状況の中で庵野総監督から締切ギリギリのオファーが来たとしたら…そりゃレコーディングも一日限りの一発録りにもなるかもね。その日鼻声だったからと別の日をセッティングする訳にはいかなかったのではないか?というのが今の所の私の見立てです。

なお特にヒカルが体調が宜しくなかったとも言えず。レコーディングが昨秋だとするとちょうど秋花粉の時期だし、ヒカルは花粉症持ちだしね。ロンドンでも花粉症が発症するかは知らんけども。あと、ヒカルには「スギ木材アレルギー」というのもある。こちらは花粉症ではなく、杉の木材自体に対して発症するアレルギーらしく、2006年の「UTADA UNITED 2006」で愛媛県武道館を訪れた際に同建築物が杉木材で建設されていたことからそれに反応して発症、えらい大変だったと当時のメッセにもある。

https://www.utadahikaru.jp/from-hikki/index_62.html

なんにせよアレルギー持ちなのでレコーディング当日鼻声だったとしてもあんまり不思議ではないというか。普段なら計画的に録音しているから避けられるのだろうけど、こういう予定外(だと思われる)の仕事だとそこらへんがままならなかったのではないかな。

コ・プロデュースを小袋“なりくん”成彬に依頼したのもその時間の無さに起因しているのかもしれない。時間の無い中で、すぐにプロデュースのオファーを出せて短い時間で音楽的なやりとりが可能でスタジオでの仕事ぶりも把握できて更に会える距離に住んでいるとなるとなるほど彼一択だよね。ヒカルには本チャンのアルバム制作のプロデュースがある一方で、単純に高品質を保って手間暇を分担してくれる人となれば彼になったのだろう。他にそれが出来る人なんて居なかったのだ。プロデューサーになればミックス時点で素材の扱いはやりたい放題なんだし。…ってそれは言い過ぎか。

…という見立てなのでこの「めっちゃ鼻声!」に特別な意図は見出していない私なのでした。しかし、この鼻声っぷりを映画館で初体験した私は思わず「ヒカル、相変わらずもってるなぁ」と呟いた訳でして。次回はそこら辺りの話から。