無意識日記々

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「リトル・マーメイド」全米公開32周年記念日

でまぁ、やや不思議なのは、ヒカルがそこまでミュージカルというものにご執心なイメージがないことだ。あれだけ「リトル・マーメイド」に入れ込んでいるのに何故? これもまた恐らくだが、ヒカルはかなり過激な「リトル・マーメイド原理主義者」なのではないだろうか。他の作品とは違うのよ的な。

誰とは言わないがヒカルがインスタライブでゲストの方を迎えて「Part Of Your World」を超ご機嫌で披露した際、誰もがそう思ったようにそのゲストの方も「あぁこの人ディズニーのミュージカル作品が大好きやねんな」と解釈し他の作品の名前も出してみたのだがヒカルはその時「スンッ」と音を立てたかのように引いた。津波が来る直前の海岸線の潮目も斯くやと思わせんばかりにスッと引いてしまったのだ。そん時ゃ画面の向こうで大笑いさせてうただいたが、ヒカルは「リトル・マーメイド」が大好きなだけで他のディズニー映画やミュージカルに関しては是々非々なのである。いやそれにしても、雰囲気に流されず自分の好みを押し通すその態度は大好きだわ。

大体、ディズニーのミュージカルという枠組自体が好きなのなら、2014年に発表された『宇多田ヒカルのうた -13組の音楽家による13の解釈について-』アルバムにピーボ・ブライソンが参加した時点でヒカルが大騒ぎしていないとおかしい。ピーボといえばディズニー・ミュージカル映画美女と野獣」の主題歌をセリーヌ・ディオンと、同じく「アラジン」の主題歌「ア・ホール・ニュー・ワールド」を(映画自体とは別口で)レジーナ・ベルと歌ったまさにディズニー・ミュージカルの黄金期に燦然と輝いた大物歌手であり、そんな彼が同じくディズニー作品でもある「キングダムハーツ2」の主題歌『Sanctuary』をカバーしたのだからその作曲者であるヒカルがディズニー・ミュージカル大好物だというなら大いに騒ぎまくって然るべきだろう。だがリリースから7年経った現在もこのテイクに関してヒカルが個別にコメントしたことはただの一度もない。一度もだ。盛り上がるような感慨がないのだろう。やはりこれは、ヒカルにとってリトル・マーメイドは全く別ということなのではなかろうか。

なのでその手の作品に対するヒカルの評価は半周まわって非常に手厳しい。特に最も身近な「リトル・マーメイド」の日本語吹き替え版に対する態度はもうね。

『はじめて日本語吹き替え版も観てみたら、歌い方がかなりあっさりしててショック。声優さんの解釈なのか吹き替えのスタッフの解釈なのか分からないけど、オリジナルの盛り上がりが感じられなくて私はちょっと残念!他の人の歌とか批評するの珍しいけど、これだけは許してくれ!ただの口うるさいファンなの!』

https://www.utadahikaru.jp/from-hikki/index_57.html

確かに、ヒカルがここまで言うのは珍しい。言い方はマイルドだが、かなり腹に据えかねたのだろうな。もしヒカルが今後8年後や18年後に「リトル・マーメイド」のリメイクが企画された際日本語吹き替え版制作を依頼されたら鬼の形相で凄まじいクォリティに仕上げてくれそうな気がする。再来年には「リトル・マーメイド」の実写版が公開されるらしいのだが、それには流石に間に合わないかなぁ。折しも本日は「リトル・マーメイド」全米公開32周年記念日。6歳のヒカルがどんなに輝いた表情でこの映画を観ていたのか想像しながら過ごすのも悪くないかもしれないわね。