無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

Same faces at each phases

『君に夢中』MVでのヒカルの表情は本当に多種多様だ。最近お馴染みの鋭い表情もあれば、若い頃と変わらないあどけない笑顔も見せてくれる。

そして今回、なんていうんだろうな、「知らない顔」も沢山見れた気がした。時には、ヒカルじゃなくて他の誰かみたいに思える瞬間もあった。新鮮な体験だったなー。

恐らく、周りに幾人もの人たちが居たからだろう。その時一緒に居る人の波長にナチュラルにチューニングできるのが宇多田ヒカルという人だ。1枚写真を見ればその人の性格がわかるという特技を持っている位だから、その時に見れた表情でその人が今何を感じ考えているのかもある程度読み取れている筈である。それに合わせて自らが見せる表情も変わっていくのだろう。今までに居なかった人が居たら、なるほど、今までに見たことのない表情を見せてくれることも、あるのかもしれない。一方で、昔馴染みな沖田さんと話し込んでたときはどんな顔してたかな~?

ヒカルが尊いのは、そういった新しい知らない顔も、昔からずっと見せてくれているお馴染みの顔も、久しぶりに見せてくれた懐かしい顔も、総てが等しくたった今に在るところだ。

人は老いていく中で次第に若い頃持っていた輝きや瑞々しさのようなものを喪っていくものであって、その熟れ具合や枯れ具合もまたしみじみと味わい深いものではあるのだが、ヒカルの場合、流石にあの10代の頃のハイテンションぶりはもうみられないとはいうものの、くりくりお目々で好奇心いっぱいに人の顔を覗き込むあの表情は、本当に15歳16歳の頃と何も変わらず、かわいらしく愛らしい。やっぱりペコちゃんみたいだ。木村拓哉が言ってたんだっけかそれ。

勿論、それと共に年相応と言いますか、落ち着いた大人の女性としての包容力を感じさせる柔和な表情や、みんなを引っ張っていく統率力溢れる男前な凛々しさなど、年月と経験と共に身につけてきた顔も見せてくれていて、それらもやっぱりたった今、ここに在る。

そういった様々なフェイズの宇多田ヒカルの表情を観賞できるのが『君に夢中』ミュージック・ビデオの美点なのかもしれないなぁ──というのが、プレミア配信で一回だけ観た時点での私の感想なのでありました。第一印象叙述終わり。さぁ、これでたっぷり何度もMVを、観るぞーっ!おーっ!