無意識日記々

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“決断に怯まない”ペルソナ

インスタライブ第3回冒頭でAirpodsの電源が入らず悪戦苦闘するヒカルさん。ああいうのが有難い。あそこでモタモタしてくれたお陰でこちらも遅れて入っても最初の質問から見れた。次の2回も、準備万端にしてから接続するのではなくて、接続してから準備をしてほしい。その間に嗅ぎつけるから。インスタライブのプッシュ通知ってそんなにすぐ来てくれないからリロード連打になって誰も得しないのでね。

まぁそんなこんなでオープニングはアタフタしたけれど、全体的には益々熟れてきたヒカルさん。これ以上テキパキされたら逆になんだか寂しくなってきそう─というのがワガママなファンの感想なのだが、どうにもヒカルは自身の「段取りの良さ」「仕切りのうまさ」「小気味と歯切れの良さ」みたいな側面は普段表に出して来ない。そこをズバッと暴露してくれたTakaさん、ぐっちょぶでしたのよ。そう、「プロデューサーの顔」のくだりですよ。

この日記への今迄の反応をみても、「プロデューサー:宇多田ヒカル」というペルソナは相当コアなファンですら無視している割合が相当多い。ライトファンや一般人なんてそんなペルソナ知りもしないだろう。兎に角表に出さないからねヒカルさんは。

じゃあお前は知ってるのかと言われたら勿論全く知らないですよ、ハイ。しかし、間接的なエピソードからそれは結構窺い知れるのだ。

今回も歌の英語の発音について切り込んできた時の顔がみたことのない表情だったということだが、そもそもプロデューサー業を始める前からヒカルはレコーディング中自分は怒ってばっかりだと述懐しているし、沖田さんによればフルオーケストラ呼んで録音したのに躊躇いなく全ボツにするしクリス・デイヴのテイクも1曲丸々使わなかったりとまぁ妥協知らずの大変厳しい姿勢を何度も見せてきている。いちばんキツイなぁと思ったのは、明らかにエリート・エンジニアである小森くん師匠に、仕事中にアルコールを買いに行かせた事かな……これは厳しいというより寧ろだらしない方か?? あんな有能な技術者にパシリさせるとかスゲーよなぁ……まぁやっぱそれは余計か。

そういったエピソードたちが頭に入っていれば、宇多田ヒカルという人が仕事に(時に度を超して)大変厳しい人である事がわかるだろう、という事だ。何よりヒカルは、決断に怯まない。プロデューサーとして最も大切な資質であろう。肉体が衰えれば歌は歌えなくなるだろうし、精神が衰えれば曲は書けなくなるだろう。しかし、選択と決断は死ぬまで出来る。ヒカルの仕事で生涯の最後まで残るものといえばプロデュースになるのかもわからない。

勿論、80歳90歳を超えても歌唱や演奏に携わるプロは居る。作詞作曲も同様だ。寧ろ選択と決断の重圧に耐えかねてプロデューサー業から早々に退く人も多いだろう。だが、宇多田ヒカルの魂は、結構強い。いや、かなり強い? いやいや、滅茶苦茶強い! 最後の最後まで可能性は残り続ける。その為には、複数のペルソナで望みを繋ぎ続けるのが賢明な戦略である。プロデューサーとしてのペルソナも、少しずつみんなに覗かせていっても構わないんじゃないかな。何十年も後に滞り無く活動を支持して貰えるように、ね。