無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

タイトルトラックにMVがあるそうな

最初配信ライブと聴いて「色々あってツアーに出られないから擬似コンサートみたいなものでもやるのかな?」と思っていた。20曲以上二時間前後のフルセットかなと。しかし蓋を開けてみたら主旨自体が違った。約1時間の演奏で新譜の曲を中心に演奏するスタジオライブという、ニューアルバムのプロモーションの一環の企画だったのだ。

他のアーティストの事情は把握していないけれども、宇多田ヒカル的にはかなり実験的なチャレンジとなる。まだ一度も聴いていない新曲を、録画とはいえいきなり生演奏で聴ける&観れるだなんてね。贅沢というかぶっ飛んでるというか。

これでスタジオテイクよりライブテイクの方が魅力的だったらどないすんねんなぁ。いやそれは大いにアリエルことでありまして。録音ほやほやの頃ってのは曲自体、作詞自体出来たてで作った方もまだつくりに慣れてなかったりして要するに練習不足のままレコーディングに突入したりするのだ。だったらそのあとスタジオライブの為にリハーサルした方がいいパフォーマンスになるのは道理なのだった。

短い配信期間から4週間後のCD/DVD/Blu-rayの発売ということで、つまり一回観た人はもう1度観たくなる或いは手許に置いておきたくなるよね?という、内容にかなり自信が無いと出来ない売り方なのよねこれ。前も触れた通り、一旦短期間映像としてアーカイブされていたものならそこからテレビなどで話題として取り上げやすいし、トレーラーもYouTubeにアップされるだろうしね。

この流れを俯瞰で見れば、1月19日から2月23日までの4週間がプロモーションの本格稼働期間だということだ。前に梶さんが「CD時代は狩猟型、サブスク時代は農耕型のプロモーションが必要」と語っていたが、今回の手法はそのハイブリッドとも言えるもの。継続的なCD発売のアナウンスでストリーミングへのアクセスを伸ばし、それがCD発売の初動の爆発力に繋がっていくという相互作用である。

つまり、配信リリースからの4週間、CD発売のニュースで宇多田ヒカルは話題になり続け、結果ストリーミングへのアクセスも恒常的に上向くだろう、ということだ。そしてそうやってストリーミングで新譜の新曲に親しんだ層の中には、こんなに素晴らしいのなら先日行われたというスタジオライブテイクも聴いてみたいな、となるかもしれない。つまり、この4週間の期間でストリーミングへのアクセスとCD発売への期待感の両方を相乗効果でアップさせていきたいという目論見なのでないだろうか。

そうなってくると、この4週間の間に投入すべきなのは、そのスタジオライブから切り取った1曲のプロモーションビデオになるんじゃないかという予想をしたくなる。即ちそれは既にアナウンスされているタイトルトラック『BADモード』のミュージック・ビデオになるのかもしれない。『君に夢中』では演奏の様子とオフショットが混在するスタイルだったが、こちらは『For You』&『タイム・リミット』のような演奏中心の編集になっているのではなかろうか。

いや勿論、折角のミュージック・ビデオなのだからまた『PINK BLOOD』のように世界観を作り込んだ作風も期待したいところではあるのだが、まぁどっちに転んでも美味しい気がするので楽しみにしておきますよっと。