無意識日記々

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『traveling』のルーツはもしかして『First Love』!?

毎度そうなのだが、朝起きてその日の日付を確認した時妙に心がざわつくことがある。「あれ?この数字の並びは何か特別だぞ?」と。

今朝もそうだった。「11月28日」という日付を目にしたら途端に何故だか知らないがワクワクした気分になった。まだ9割方寝惚けてる頭はすぐにはそれが何故だか思い出さない。何の日だっけと調べたかどうかというタイミングで漸く思い出した。「そうだよ今日は『traveling』の発売日だよ」と。

21年前この曲を聴いたときに感じた「次のアルバムはとんでもないことになるぞ!」という予感は『DEEP RIVER』という名盤によって現実のものとなったのだけれど、この、未知のものへの期待感が未来への希望だと感じさせた『traveling』のサウンドは、今でも特別だ。そしてこの曲で生まれた「宇多田ヒカル必殺の4つ打ち16ビート曲」のフォーマットはこのあと須くとんでもない名曲を次々と生み出していったのだった。『This Is Love』『Beautiful World』『Goodbye Happiness』から最近作の『One Last Kiss』『BADモード』に到るまで、錚々たる楽曲が立ち並ぶ。これらの曲がライブで披露されたときの高揚感は筆舌に尽くし難い。

で。確かにこの、16ビートに流麗なメロディが乗るスタイルは『traveling』で確立されたのだが、そこに到るまでに重要なピースとなったのではないか?と後付けで勘繰りたくなったトラックがある。それが、この間から度々触れている『First Love - John Luongo Remix』だ。

ヒカルの最初の2枚のアルバムにもアップテンポな曲は幾つかあるが、『Movin' on without you』や『Wait & See ~リスク』はエレクトリック・ギターが嘶くややロック寄りのサウンドだったりするし、『甘いワナ』は派手なブラスにうねるベースラインというヒカルにしてはかなり異色な楽曲で、やはり「4つ打ち・16ビート・メロディアス」という王道サウンドからはやや距離がある。そんな中で、いちばん『traveling』に近いサウンドになっているのがその『First Love -John Luongo Remix』なのだ。

実際、『First Love -John Luongo Remix』と『traveling』を繋げて聴くとそのサウンドの親和性にビックリする。もっとビックリするのは『First Love -John Luongo Remix』と『BADモード』を並べて

聴いた時で、私なんか思わず「おんなじ人が作った歌だわやっぱ!」と誰彼構わず呟いてしまった程だ。23年の月日を経て、なんという一貫性だろうか。

ヒカルが当時この『First Love -John Luongo Remix』を聴いて(自分でミックスしたわけじゃないからね)実際に何らかのヒントを得たかどうかはわからない。というかこのリミックス・バージョンに関して言及したことがあるかどうかすら私は知らない。が、その後『DISTANCE』や『Flavor Of Life』をスロウダウンして新しい地平を切り開いたのとは逆のことを『traveling』でやっていたとしたら面白いなぁと素直に思った。「あれ?私のメロディって4つ打ちに合うんじゃない?」って気がつくキッカケにリミックスがあったとしたら、ね。

ということで『traveling』のルーツに『First Love』があるかも?という大胆不敵な仮説を(自分自身半信半疑で)今回提示させて貰った訳だが、目下大絶賛配信中のNetflixドラマ『First Love 初恋』でも全く別の理由で『traveling』がフィーチャーされている筈!と観る前に息巻いていたんですよ私は。だって主人公がタクシードライバーだっつーんですもの。これはきっと『traveling』の

『タクシーもすぐつかまる(飛び乗る)

 目指すは君』

『どちらまで行かれます?

 ちょっとそこまで』

『“不景気で困ります(閉めます)

 ドアに注意”』

のうちのどれかの歌詞がセリフの中に現れるんじゃないか!?って期待してたんです。

結論をいえば、残念ながら見当たりませんでしたとさ。近いのはあったんだけどねぇ。やっぱり行き先を告げるときに「ちょっとそこまで」って言う人は居ないわな(笑)。ちゃんと固有名詞言えよって。

…いや!でももしかしたら私うっかり聞き落としてるだけかもしれないので、もし「あったよ!」という方がいらしたら是非御一報を宜しくお願いしますね☆