無意識日記々

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アカペラ向きなのは『初恋』の方

今週の『First Love』のチャート成績は先週より更に凄いことになっているのだな。

満島ひかり佐藤健が主演するNetflixシリーズ『First Love 初恋』の世界的な好評を追い風に、宇多田ヒカル「First Love」は、ダウンロードが対前週約200%増の3,879DLとなり84位から15位に上昇。ストリーミングは約15%増の7,792,651再生となり6位から3位へ上昇するなど、ダウンロード、ストリーミング、動画、ラジオ、カラオケで順位を上げ、前週7位から総合5位となった。》

https://www.billboard-japan.com/d_news/detail/120228/2

《そして3位の宇多田ヒカル「First Love」は、前週から3ランクアップ。再生回数は114%の7,792,651回を記録した。同曲は1999年にリリースされた1stアルバムの表題曲で、11月24日に配信開始した、本曲と「初恋」からインスパイアされたNetflixシリーズのオリジナル・ドラマ『First Love 初恋』によって、再び注目を集めた。12月7日に18位で251週ぶりのチャートインを果たし、さらには12月9日にドルビーアトモス版の「First Love(2022 Mix)」と「初恋」が配信、7インチアナログ盤『First Love/初恋』も発売されるなど、アーティスト・サイドの自発的な発信もあり、12月14日のチャートでは6位まで順位を上げた。その時点で当チャートにおける同曲の最高位だったが、当週さらに記録を更新した。》

https://www.billboard-japan.com/d_news/detail/120221/2

なんとビルボード・ジャパンの週間総合第5位、ストリーミングで第3位なのだと。779万回再生て先週より100万回上乗せか? 物凄い大ヒットではないですか。最早2022年を代表する楽曲のうちのひとつになったのかなこれ。上がOfficial髭男dismの「subtitle」と米津玄師の「KICK BACK」なんだもんねぇ。

何が驚きって、そんなに皆Netflix観てるの!?ってこと。これは本当にドラマのお陰が大きい訳で感謝しきりだが、まぁ向こうも宇多田ヒカルのお陰と思ってるか。歌もドラマも素晴らしい。相乗効果。加入者も増えたかな。

ここまで大成功すると、前から言ってるようにまた歌を題材にしたドラマ企画が立ち上がるんじゃないかと思いたくなるが、これはこれでもう美しい思い出にしておいた方がいいような気もする。似たような事をするなら、少し違う分野で…例えば歌を題材にしたゲームを開発するとか? 『Somewhere Near Marseilles ーマルセイユ辺りー』をベースにしたゲームなど…それぞれロンドンとパリを出発して同じ日同じ時刻にマルセイユ辺りに到着するのを目指すゲームとか…勿論そこは銭形警部に追い回されるルパン三世よろしくそうは問屋が卸さないよと敵キャラが邪魔しに来る展開で…って誰か作らん?(笑) 『First Love』みたいに昔の歌を引っ張り出してくるなら『traveling』がいいかな。あれをベースにしたゲームとかちょっとやってみたい。タクシーもすぐつかまるとびのる…めーざすはきみっ♪

…って余計なこと書いたな。ということで今年の『First Love/初恋』リバイバル企画はアーティスト側からみても大成功、と。

でも、私なんかこうやって毎日宇多田ヒカル宇多田ヒカル言ってるともっと外から見た盛り上がりとかがよくわからなくなっててね。最近はどのポータルサイトも個々人のアクセス趣味にカスタマイズしてオススメ記事を寄越してくれたりするし、なかなか「広く人口に膾炙する」感覚が掴めてないのだが、これは普段宇多田ヒカルに関心の無い邦楽ファンやドラマ視聴層の間でも話題に上っているのかな。だとしたら凄ぇなぁ。

ところがこちらは毎日どちらかといえば、空間オーディオもアカペラも、『初恋』をメインにして歌と接しているのでどうにもテンションの位相が合わない。ほんと凄いなドルビーアトモス。そしてアカペラよな。

初恋のアカペラの何がいいって、歌だけで楽曲としてきっちり成立しているところ。特に『First Love』と比較するとよくわかる。『First Love』は前奏・間奏・後奏がいずれもがっつりあって、特に間奏は無音のまま暫く待たなくてはいけなくて如何にも間が悪い。15周年記念盤収録のデモ版がわかりやすいのだがそもそも『First Love』はリズムセクションありきの歌メロなので、小節毎にも間が空いたりしていてそこまでアカペラ向きじゃない。それでも聴かせ切る15歳の歌唱力が凄まじいのだけどね。

一方『初恋』は、冒頭イントロ無しでいきなりサビから入る構成だからサマになる。バックの演奏がないハンデを感じさせない。『First Love』では暫く待たなくてはいけなかった間奏部分もこちらでは悉く『I need you ...』の分厚いコーラスで塗り固められているから間が空くこともない。終始ヒカルの歌唱が張り付いた状態でエンディングまで途切れなく淀みなく流れていくのである。元々ただ単にヴォーカル(とバック・コーラス)を抽出しただけのトラックなのに、これだけでアカペラとして完成されたテイクと相成った。恐るべき歌の強さだ。

なので、将来ライブ・コンサートでアカペラを披露される可能性がより高いのは『初恋』の方だろうな。『First Love』はやってもピアノの弾き語りまでかなと。いやま、勿論どちらをやってくれても嬉しいのですが。バックコーラス隊さえ呼んで来れれば(出来ればシナジー・コーラスの皆さんがよいような?)、『40代はいろいろ♫』で『初恋(A Cappella Mix)』を披露するのもひとつの手じゃありませんこと? 明日発表になる参加方法云々も含め、そろそろ要注目ですよ誕生日当日生配信イベントに関しては!