無意識日記々

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Everybody finds"アイ"in the end.

箸休めに桜流しの音韻の話でも。最初の頃に指摘したようにこの曲にはヒカルにしてはそれほど凝った構成は見られない。キプトラみたいに1ヶ月かけて半分しか説明できない、なんて事はない。まぁそれでも手間はかかるけどね。


『開いたばかりの花が散るのを』

一行目の母音を拾ってみよう。
「いあいあああいお あああいうおお」
主体となっているのはア段の音だ。「たばかり」と「はなが」とア段の音を繰り返し、それぞれ「を」「のを」とオ段の音でメロディを締めくくっている。間を繋ぐのはイ段の「ひ」ら「い」たばか「り」の3つである。例によってある特定の母音を後半まで取っておく構成もみられる。ウ段の散「る」がそれであるが、メロディ構成上それほど意図的でもないだろう。こうハマったからこうなった、という程度ではないか。

次に、この一行目の子音を抜き出してみよう。
「HR/TBKRNHNGTRNW」
ちょっとわかりにくいかな。Rの音に注目して読んでみると、ひ「ら」いたばか「り」のはながち「る」のを、Nの音に注目すると、ひらいたばかり「の」は「な」がちる「の」を、という具合になる。Rは全体に満遍なく、Nは後半に偏らせて、という構成だ。この2つを組み合わせてRNのコンビが二回出てくる。ひらいたばか「りの」はながち「るの」を、だ。

あぁ、さっき言い忘れたが、母音のコンビの組もあってそれは「あい」だ。ひ「らい」たば「かり」のはな「がち」るのを、と計三回出てくる。

先にオチを言ってしまうと(今回は勿体ぶる気が全くない私)、こ、の母音にして「あい」の音は、この楽曲を通じて、特に終盤に行くほど多く繰り返されていく。また後ほど触れるが、『もう二度会えないなんて信じられない まだ何も伝えてない』には「あい」の音が一杯である。しかも語尾に集中している。つまり、これは歌詞の最後に常に「あい」を見つける事が出来る、という事なのだ。Everybody finds love in the end、全ての終わりに「あい」があるなら、っていう…

…こういうシリアスな曲調にそういう言葉遊びは不似合いだろう、と思ったのでこうやってオチを最初に言っておいた次第。(苦笑)
次回からは、真面目に音韻の話の続きを書きます。まぁ箸休めなので気楽に読んでくだされ。