無意識日記々

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彼女のプッチーニはマリア・カラス・クラスデス

流石に読者の方も飽きているだろうが(私もだ)、区切りのいい所まで行きますぞ。

さて、ヒカルの喫煙は世間に対してはスキャンダルだが、ファンにとっては、「Hikkiの健康面が心配」というのが実はいちばん大きいのではないか。目立つのは嫌煙な呟きの方だが、ファン全体の基調はこちらだろう。

ここで踏まえておいて欲しいのは、タバコの健康被害があからさまに取り上げられるようになったのはかなり最近の話だ、という事実である。詳細はわからないが、恐らく、タバコと疾患の因果関係を機構的に完全に説明する事がまだ出来ておらず、動物実験を参照する程度で、そこを科学的に扱うには大規模且つ長期に渡る疫学調査が必要だったのでは、と推測される。

端的にいえば、喫煙というのは短期的にはメリットばかりで、長期的にしかその影響があからさまにならないのではないか。(あクマでも一般論だが) 期間の長い常習者はともかく、短期間に少し吸った位では影響は皆無といっていい、と。照實さんが中丸三千繪の話を、それこそ都市伝説のように持ち出していたが、ぶっちゃけ、あんな日本史上稀に見る、いや、まさに東洋人離れした強靭な声帯をもつ人の話なんか参考にならないんだよねぇ。しかし、つまり、何が言いたかったかといえば、喫煙で出る悪影響は、晩年に肺癌に罹患する確率が上がる、とかいった長期的、統計的なものであって、まぁいわば低線量被曝と発ガンの関係と同じだと思えばよい。メカニズムが複雑過ぎて、直ちに因果関係が特定できないのである。

話が難しくなってしまった。まとめると、実は歌手にとってタバコは歌にただちに影響を与えるような害はない、という話だ。超ヘビースモーカーは別として。それを言うならコーラの飲み過ぎでもアロマテラピーの懲りすぎでも喉に影響は出るさ。なので、喉の心配をしても詮無い。もしすぐに歌に影響が出るんだったら流石にヒカルもとっくにやめてるだろう。なお、ツアーの際は一応禁煙してたらしいよ。そっちの方が引くわ。

で、だ。しかし、晩年の肺癌罹患率が上がるのは確実である。長期の害が強力であることが判明してきたから、今ここまで嫌煙権が力を握っているのだ。

(今はかなり話を単純化している。タバコは身体に悪い、というのは経験則から皆わかっていた事だ。それを科学的知見として昇華させるのが難しかった、という訳です)

なので、ヒカルの健康を心配するなら、将来の妊娠の事を考えて、とか肺を患って歌えなくなったらどうするの、とかいう方がいい。喉の心配をしてもざねっちが中丸発言をまた盾にしてくるのがオチである。余談だが、声楽家としての技術はヒカルなんて足元にも及ばないまさに生ける怪物ですからね彼女は。普通の人間だと思っちゃいけません…。

さて、次回で終わりにしよう。もう読者の熱も冷め、皆冷静になってきた頃だろうから。いやはや、本当に無駄な話で引っ張ったなぁ今週は。