無意識日記々

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何もかも中途半端

上半期の総括か〜。取り敢えず結婚なのだろうが、本人からのステートメントがあれだけなのでそれだけかなという感じ。彼は一般人なのだからもっと静かでもよかった。

しかし、シンガーソングライターの場合、私小説家以上に私生活に興味を持たれるのは致し方ない所。それが嫌なら最初っからテレビでのプロモーションを諦めた方がよかったのだがこれも今となっては後の祭り。どれだけ売上が落ちぶれようとも「嘗て一世を風靡した人」は延々ゴシップの種として扱われ続けるのだろう。

とはいえ、そこまで今回の結婚話が盛り上がったかというとよくわからない。ああそういえばそんなこともあったねという程度で済まされるレベルだろう。毎日とか毎週とかテレビに出てる人たちとの差はこんなところにも表れる。何もかもがピンポイントなのだ。皆にスタジオで「結婚おめでとう〜」と祝福される場面もない。しかしパパラッチには追い掛けられる。ネタの出来たテレビや雑誌新聞紙や、ある程度宣伝になったレコード会社には多少メリットはあったかもしれないが本人はひたすら損ばかりしている。割に合わないねぇ。システムの外に居るのにシステムに利用されるとは。

あんまり総括っぽくないが、それが今の"宇多田ヒカル"ブランドの立ち位置だという事だ。多少はFL15の販売に好影響があったのだろうか。でなくば報われぬ。このまま行くとずっと損をしたままという流れになりそうだが、結局先の事はわからない。今の現状は、ただ単に、これ位の宣伝をすればこれだけの人たちが買ってくれる、というだけの事。FL15豪華盤に関しては9割方の人間が何らかの形で@utadahikaruや@hikki_staffの発言をフォロー出来ているだろうから、連日Botで宣伝ツイートを入れておけば最初の5000セットは完売していただろう。そこまでの広告宣伝費はほぼ0に近い。渋谷のビルボードは、いわば「存在感」を敷衍する為の手段なので、その意義は復帰後に品定めされるだろう。今はまだわからない。

何もかもが中途半端な立ち位置だ。しかしそれこそがHikaruの元々望んでいた事だろう。No Genre/ノー・ジャンル。音楽的にどこにも属さないだけでなく、活動のスタンスやファン層などもノー・ジャンル。そりゃあゆらゆらふわふわもするわいな。

こうなってくると、例の、"スコットランドにルーツを感じる"発言はどう捉えるべきか。スコティッシュ・ミュージシャンたちとのネットワークの中に入るか。新居をそちらに(も)構えるか。これもまた様々な兼ね合いで決まる。ただ、ゴシップとパパラッチに本当に嫌気がさしてきているのならメジャー・レーベルから一旦ドロップした方がいいだろう。ファンの方は"個"を発信するツールさえ確保しといてくれれば大丈夫。なんだけどそれってもう庶民レベルで実現しちゃってる訳だから結局は「何も特別な事はしなくていい」。新曲が出来たらYoutubeにCD以上の高音質でアップロードすればいいし、インディーズ向けの配信システムもあるにはある。制作資金がなければクラウド・ファンドでも何でも方法はある。要は、何でも出来るのだ。この半年、「昔は凄かった」というサイドの話ばかり目にしてきた気がする(15周年記念企画だからそれも当然)が、今後もそれに乗っかっていくのだろうか。何がしたいのかがわからな
いならやった事をただただ示していくしかないだろう。待ちの姿勢です。