無意識日記々

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毎度お馴染み需要僅かのハイレゾ話。

ハイレゾというのは、96kHzだ192kHzだという音の高さの話より、24bitという音の解像度の話の方が実がある。実際、FL15も幾つかのWeb記事で22.05kHz以上の音は無かったという報告があった。

ではFL15が24bitの恩恵を如実に反映していたかというとそんな事もなく、多分今私が2014remasterとハイレゾでFL15を流して貰っても録音レベル以外で判断する事は結構難しいかもしれない。音量を合わせられると殆ど同じだろうかな、と。まぁむびのんのイントロとかならわかるかもしれないが。

これは、有り体に言ってしまえば"選曲"がよくない。前に24bitサウンドについて述べた時、私は、音の解像度そのものより寧ろそれが鳴り響く空間の広さを感じとれる所が魅力ではないかと語った。「音の蓋がとれた」みたいな言い方をしたかな。音が遠くまで鳴り響いていけるような感覚。それが私の感じとったハイレゾの魅力だった。

この効果が、FL15の楽曲群には薄い。元々のミックスが、空間を埋め尽くすようなクラブ系(って言うのかあれ)の密度になっていて、外側に広がっていくようなというより部屋に覆い被さるようなサウンドだから、これが外向きになったら散漫な印象を伴って寧ろ逆効果だ。いわば、First Loveアルバムの楽曲は室内楽、In My Roomなサウンドなのだ。歌詞も結構部屋の中っぽいのが多い。いやそうでもないかな。

time will tellなどはalways blue skyと言うだけあって、少し上方に空間を感じさせるサウンドになっている。こういうのの方がハイレゾ向きだ。一方、Never Let Goは太陽に目が眩むのだからいいんじゃないかと思いきやハイレゾではあの独特の陰鬱さが薄れてライブ・バージョンに近くなっていた、なんて事も話したっけ。総体的にみると、やっぱり1stアルバムの楽曲とサウンドハイレゾの恩恵を受け難い気がする。

ではどの曲が向いているかといえば、そりゃあPassion/Sanctuaryでしょう。『青空の下で』とか『Angels in flight』 とか、どこまでも、宇宙に達するまで広がり続ける青い空。これを感じさせるにはハイレゾが向いていそうだ。他にも、例えばテイク5はどうだ。こちらは夜空の広がり。あと、これは是非聴いてみたいというのがあのBeautiful Worldのイントロダクションだ。私曰わく「深海の底から青空を眺めるような」サウンドハイレゾの相性は抜群に思える。

…で、この曲、もうハイレゾが存在してるんだよね? EVAコラボウォークマンに序のサントラの一曲としてプリインストールされている筈。ぐぬぬ、ファンとしては数万円はたいて買って聴いてみるべきかもしれないが、あのハイレゾウォークマン(EVAコラボじゃないヤツね)を既に入手している身としては敷居が非常に高い。「きっとそのうち単体での配信販売が始まるだろうからそれまで待とう。急ぐ事でもないし。」と自分に言い聞かせている。しかしながら私、例えばEVAQのBlurayで最も使用頻度が高いのは付属のサントラに収録されていた桜流しのトラックである。CD音質(1.4Mbps)で聴けるというのはとても大きい。…もっとも、元の音質がそれなりだからそれなりにしか鳴らないんだけど。それでも、「Bluray買ってよかった」と思えるのだからプリインストール音源目当てにEVAコラボウォークマンを購入していたとしても後悔しなかったかもしれない。てかそういやそもそももう手に入らなかったんだっけ?

という訳で、私としては宇多田ヒカルの過去音源ハイレゾ化に関しては、First Loveでも十分嬉しかったがやはり本命は4th「ULTRA BLUE」&5th「HEART STATION」という事になる。この2枚がハイレゾ化されるまでは生きねばなるまいだわさ。


…あれ? ラジオテレビの話の続きは? ―すっかり忘れてた(笑)。また次回のお楽しみで候。