無意識日記々

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肝臓先生沖田英宣氏からのお言葉

一応これからもアルバムを聴き終えるまでは難癖愚痴モードで行くつもりで居るのだが、こればっかりは讃えておかなくっちゃあいけない。今回の企画の立案者、諸悪の根元(笑)ともいえる肝臓先生のコメントである。realsound.jp の該当記事から、いやもう面倒なので丸ごと引用してしまおう。

「その人にしか作ることのできない音楽を創造し続けている方々に参加していただきました。その音楽家が放つオリジナルなスタイルがなければ、まるで二重露光の写真のように宇多田ヒカルのうたと重なりあうことはないと思っていたからです。光栄にも13組の素晴らしい音楽家に参加していただくことが叶いました。
 このアルバムは音楽家たちの自由な創造力が満ち溢れながら、その創造力を触発する宇多田ヒカルのうたに秘められた「何か」が重なりあった瞬間の記録です。
 音楽とは新たな視点に気付かせ、それを誰かに伝えたくなるという力を持っています。これは宇多田ヒカルの“トリビュートアルバム”ではなく、『宇多田ヒカルのうた』をシェアするアルバムです。
 参加していただいたすべての音楽家の作品から、音楽を創造することは限りある人生を捧げるに値するということを、そして宇多田ヒカルという作家から、音楽を聴くことは限りある人生を美しく彩るもっとも簡単な方法のひとつであるということを、あらためて感じていただけたならこれ以上の喜びはありません」

読んで貰えればもう十分である。こういう、"わかっている人"がデビュー前からディレクションを担当してくれていただなんて、宇多田ヒカルは運がいい。それを引き寄せるだけの力があるからだが。

しかしそれにしても。こういう、音楽に対して"純粋主義者"な人がこうやってメジャーレーベルのお偉いさんとしてまだまだ一線級で活躍してくれているなんて不思議な気がする。こういう人って途中で現実に幻滅しちゃう事が多いだろうに。

やる仕事は違うが、梶さんもそういう感じだ。仕事が出来る人なのは間違いないが、もう見た目の通り真っ直ぐなお方で、よくもまぁ今まで悪いヤツに引っ掛かって騙されてこなかったなと思うくらい。或いは生き方が不器用で、アーティストの意志や世界観を尊重するあまりいつまで経っても鳴かず飛ばずだったり。偏見と言ってしまえばそれまでだが、なんだかそういう風に"失敗"しててもおかしくはなかったかもしれない、なんていう失礼な事を考えてしまうのだ。

彼らのような、音楽やミュージシャンに対して純粋で真っ直ぐな人たちがこうやって大成功を収めたのは、たぶんまぁいちばんはトップの三宅さんが強かで"結果を出せる"人間だったというのが大きいのだろうが、やっぱりヒカルの存在は大きかったんだろうなと思わざるを得ない。余りにも実力がありすぎて、現実味のない成功を収めた彼女の周りに居るには、極端な話、彼らのような純粋主義者の方がよかったのだ、真っ直ぐな気持ちを、そのまま現実に押し出せるだけの"力"がヒカルにはあった。まるで夢を見ているかのようだった事だろう。15年前は、幾らCDを生産してもまるで足りなかったのだから。そこらへんの話は宇多田共和国に詳しい記事があるが、それにしてもああいうのってどうやって調査して入手するのか、取っ掛かりが全くわからんわい。

彼らの音楽に対する純粋な心根は、今回の企画にも通底している事だろう。先行試聴会に当選すれば、彼らの話が聞けるのだ。肝臓先生が参加するかはまだわからないが、主役の彼が不在というのは考えづらい。

本来ならこういう全国行脚は"新作買ってね"というプロモーション活動となるものだが、今回ばかりは既に購入決定した人たちを相手にトークをするのだから、似非香ばしいセールストークは一切聞かれないだろう。プロモーションをやってもらうにはまず梶さんなので、普段音楽制作の方を取り仕切る肝臓先生はセールストークなんて苦手かもしれないが、今回ばかりは何の気兼ねをする必要もない。情熱のままに、ありのままを語ってくれれば済むのである。


もう一度上記に引用した彼の言葉を読み返してみるといい。こういった風に音楽を捉える人の話を、じかに聞いてみたいとは思わないだろうか? あと2,3日しかないが、まだ先行試聴会応募は受付中である。店頭に出向けない人は、Web上でユニバーサルストアを利用するというテもある。極端な話、たぶんタダなのだろうから、取り敢えず応募してみて、当選したその日の都合がつかなくても行かなければよい。損はしない。向こうだってキャンセル率を計算して当選数を調整しているのだから。決めるのは、やっぱり貴方自身ですけれどもね。