無意識日記々

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TheSunRisesUp&DownInTheFarEast

東京五輪エムブレムの話ってまだ旬過ぎてないの? こういうのってみんなの関心が無くなってから触れたいところなんだが、なんだか最近聞いたばかりの名前がニュースで連呼されるので私も気になってさ。

呆れた。盗作の疑いを掛けられて弁明をしている事が。問題はそこではない。素人が見た時に「似てるねぇ」と思わせた時点で訴えた側の勝ちだ。もうそこで勝負はついているのだから会見を開くなら敗戦処理である。相手方が商標を登録してなかった云々は関係ない。一般人にとっては"法律のむつかしい話"でしかない。2つのデザインを見せた時の「似てるねぇ」に勝てる訳がない。

実際の会見を見ていないので勘違いだったら申し訳ないが(と言いつつ書くヤツは単に事態を面白がっているだけだから信用すんな(笑))、デザイナー氏はデザインのプロセスが全く違うと主張したそうな。盗用疑惑を晴らす為には必要かもしれないが、ここ日本では東京五輪はよくもわるくも超ビッグイベントだ。モモンガとフクロモモンガの写真を見せながら「こちらは有袋類でまるで系統が違う。収斂進化の一例だ」と力説したって「ふーん」で終わる客層が相手なのだから、一体全体何を考えているのやら。

全体的に「相手を間違えている」感が強い。コンペで受けるもの、デザイナー仲間から賞賛を受けるものを作ったのだろう。そして、盗作疑惑をかけられたからにはその疑惑を晴らそうとしているのだろう。もっといえば、そっちしか見ていない。そんな人にこれからシンボルのひとつとして活躍してもらうエムブレムを作らせても、内輪受けしか生まれない。それならそれでいいってんなら別だけど、税金は返せよ。


っとと、筆が滑ったな。これだけ書いておいて何だが、あんまり興味のある話題じゃなかった(笑)。後日訂正して削除しても惜しくも何ともない枕でござる。

しかし、「相手を間違えない」事は人生のあらゆる場面で重要である。この日記は週末にまとめ読みする未来の私に向けて書いている。その時に「ふふっ、悪くない」と言って貰えれば十分だ。結構辛辣だからね未来の私。たかが日記だというのにやれ構成が凡庸だの内容の密度が不安定だの沢山愚痴りやがる。そんなに文句言うんだったらテメーが書きやがれって。あ、俺か。

何でもそうだ。文章を書く時に誰に、どんな人に読んで貰いたいかのビジョンがなければ道を見失う。歌なんてまさしくそう。誰かに何かを伝えたくて歌うのなら、ハッキリさせないと。

メタラーはその観点からみて幸せである。よくハードロックとヘヴィメタルは何が違うかというのが話題になるが、ハードロックバンドはハードロックについて歌わないが、ヘヴィメタルヘヴィメタルについて歌ってばかりだ。俺たちはメタルだ、音楽を愛している、メタルは永遠に不滅だ、やっている事が楽しい、といちいち歌詞で言う。ハードロック・グループは一切こういう事を言わない。この、自分のやってる事をそのまま歌えるというのは恐ろしく強い。何故なら、相手を選ばないからだ。何しろ事実(だと思っていること)を言っているだけなのだから。「西から登ったお日様が東へ沈む」とか、「はぁ、そうですか」と返すしかない歌詞。強い。いつ何時歌っても皆同じ反応だ。「あんたらメタル好きなんだねぇ」「おうよ!」それだけだ。誤解も何も存在しない。

ラブソングはその点いろいろ大変である。これは誰の立場に立って誰の気持ちを誰に向けて歌ったものなのかいちいち解釈しなくてはならない。Lettersはヒカルが林檎嬢に向けて歌ったものなのか、それならtravelingのオファーを蹴っ飛ばしてLettersを歌った林檎嬢の心境は…という風に。だから面白いんだけど、必ず要らぬ誤解を招いたり、時には不評まで招いたりする。これはよくない。タバコのFlavorの何が悪いねんと。それやったらわざわざ取り上げんていて欲しいわと。

Making Loveが名曲なのは、誰に向けて書いたかが明白だからだ。メロディーに全く迷いがない。信じる心の美しさがそのまま旋律の美しさになっている。歌詞がまっすぐ突き刺さる。あんまりにもまっすぐなのでタイトルと中間部を工夫したくなったくらい。

ヒカルの新曲もそういうことだ。誰に向けて書いたものかがクッキリしてればしてるほどメロディーの輪郭は鮮やかになるだろう。取り敢えず家族に向けた歌を期待しておこうか。我ながら、ベタだけど。