ひかるはくまちゃん絵本をシリーズ化するつもりはないのだろうか。あの線画絵本を締切ギリギリまで粘るというのだから随分と発想頼みの作風だし、そもそも次から次へとエピソードが出てくる類のテーマでもない。シリーズ化には不向きかな。
しかし、あれだけくまちゃんくまちゃん言っておきながら新しいコンテンツを出さないのも、ややアピール・ポイントに欠けると思われる。
ぼくはくまの絵本は、スーパークマンのマンガ(と言っていいのかな。一応4コママンガか)とは作風が異なり、ほのぼのかと思いきやかなりシリアスというまどマギみたいなバランスだ。線画なのはひかるの尊敬する絵本作家(たち)からの影響だろう。いや締切ギリギリで色塗れなかっただけかもしれんがね。で、だ。どうせならこれからリリースするシングル盤総てに絵本をつけたら…と思ったがEPにはEPなりの"世界観"というものがある(この使い方はやや誤用か)。それを崩すような真似をひかるがするとも思えない。
アイアン・メイデンだと、各アルバム毎のコンセプトが全く違うのに必ずジャケットにはエディが登場するんだが。彼はいろんな"コスプレ"をさせられる。殺人鬼、悪魔、死刑囚、ミイラ、死体、預言者、超越者、エイリアン、戦士。最新版はマヤ部族のペイントをしている。何でもありだ。
ならばくまちゃんも、それぞれの曲に沿ってコスプレでもさせれば…いやいや、やっぱ無理か。あの毛並みはあらゆる牙を引っこ抜いてしまう。時に激しくシリアスなヒカルの曲調にはどうしたってそぐわない。当時「最高傑作かも」と楽曲を評した割に、その"場違い感"をいちばんよく理解してるのはひかる自身なのだ。どこらへんでくま押しして、どこらへんで退くのか、よくよくわかっている。
ただ、歌としてぼくはくまの続編が出来た時にはこの限りではない。寧ろストレートに、そちらの期待をした方がよさそうだ。もっとも、そちらばかりになるのはきっと大多数のヒカルファンには受け入れられないだろうからその積もりで。いや私は勿論のこと楽しみですけどね。