無意識日記々

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いきあたりばったりに喧嘩を売る

よく言うのは、そして実際にヒカルが触れた事もあるように、1stアルバムはそれまでの人生の中からベストの曲を選べばよいが、2ndアルバムでは1stから2ndの短い期間に生まれた曲だけで総てを賄わなければいけない。意地悪な言い方をすれば、大抵はここで馬脚を現す。

ヒカルの場合だと1stアルバムには15年分を突っ込めばよかったが、2ndには2年分しか入れられなかった。なのにクォリティーは上がり続けたのだから人間って恐ろしい。

今も同じ事が起ころうとしている。復帰後すぐのアルバムはいい。5年分のストックから繰り出せる訳だから。問題は次だろう。大抵、ミュージシャンはビッグになるにつれアルバムリリースの間隔が長くなっていく。ツアーが長期化するのが主な原因だが、やはり少しずつ作曲能力が落ちていくというか、維持する為に時間をどんどんと必要としていくのだ。

復帰後次のアルバムまでまた5年あければいい、と答はカンタンだ。「宇多田ヒカルは寡作だ」という定評さえ生んでしまえばなんとかなるもんだ。「それでいいのか」とヒカルには自問自答してもら…いやまぁ好きにすりゃいいけれど。

復帰後のペースの話である。これから、5年休んでは2年活動しての繰り返しになるのか、それとも、来年からはわきめもふらずに働き続けるのか、どっちなんだろう。プランはあるのか、考えていないのか。

昔のヒカルなら「そんな先の事なんてわかりっこない」とばかりに目の前の事に全力投球してさて次はみたいなリズムでやっていって結局まとまった休みも取れずになんだかんだで仕事が続いていく、なんて事態も想定できたが、今回は、そこにヒカル自ら計画性を発動させたのが画期的なのだ。後に予定も変わっただろうし(震災とかあったからね)心変わりもあったかもしれないが、ひとまず、「これからこれをします」と言ってする、という社会の基本的常識(且つ、芸術家にとっては退屈極まり無い時間)を発露させたのは意義深い。それこそが人間活動。

なので(今までだって別に〆切を反故にした事はなかったけれど)ちゃんと"人生の工程表"通りに人生が進んでいけてるかどうか、きっちりと弁別してもらおう。「いきあたりばったりに喧嘩を売る」のである。できるか。

なので、復帰後は、どちらになるかわからないが、今後の活動ペースについてコメントしてくれる機会があるかもわからない。注目しておこう。

なお、私はまたいきあたりばったりに戻ってくれても構わない。戻らなくても構わない。どっちでもいいよ。計画的であれ無計画的であれ、ヒカルはいい歌を歌ってくれる。それがありさえすれば、どちらでもよいのであります。