無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

天晴れな品物

弊害、とまで書くのは言い過ぎたかな。引きの強い引きにしようとしてしまったか。ゴシップ記事じゃないんだからそんな事しなくていいのに。

"Apple And Cinnamon"は、スムーズに曲作りが進んだ名曲だが、スピーディーに事を進めたせいか何なのか、弱点がある。まず歌詞だ。

なぜかやたら歌詞に繰り返しが多い。サビのみならずBメロまでもがそのまま1番も2番も歌われる。Hikaruの作詞でこういうのは珍しい。本来なら同じメロディーに違う歌詞をつけて構成をアピールするのが常なのだが。

恐らく、メロディーラインの美しさを強調したいが為にこうなったのではなかろうか。一度あてはめた歌詞がスムーズにフィットしたので、下手にいじくりまわすよりそのハマった歌詞をそのままリピートする事を選んだ、という感じがしている。確かに、歌詞をまともに聞き取れない私みたいなリスナーにとっては英語詞による構成力など歌詞カードを見ない限りわからない訳で、それなら別にこれでいいじゃないかとは思える。しかし、勿論、その分歌詞の面白味は薄れている。

もうひとつは、アレンジが雑な事だ。北欧のプロデューサー・デュオ、スターゲイトによるサウンドだが、彼らみたいな人らからすれば極東の中国と日本なんてまぁ大体同じなんだろうね、と溜め息を吐きたくなる中華風フレーズが出てくるのはあれ何なんだろうね。いやまぁさ、こっちだって北欧諸国、スウェーデンフィンランドノルウェーの違いについて述べよっつわれたってわからんもんね、お互い様だわ。

Hikaruの仕事が早かったからって彼らまでスピーディーに仕上げる必要はなかったと思うのだが、雰囲気は出てるけれどさほどまとまりのないサウンドとなっている。

しかし、それでもこの曲のスタンダードっぷりは微塵も揺るぎない。そういった細々は大同小異、泰然自若に美しいメロディーを紡ぎ上げる。我々は楽曲を通して、Hikaruの感じたトントン拍子や高揚感を感じる事ができる。一方で、悩んだり逡巡したりで作った楽曲からもその葛藤や躊躇がかいま見られたり。どこがどうなってそうなっているかは相変わらずさっぱりわからないが、だからこそインタビューでその点についてズバッと訊いて貰えると有り難いのだった。松浦さん、そろそろですか?(笑)