無意識日記々

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70年代生まれの独り言

80年代が30年以上前、という感覚に慣れないうちにもう2016年まで来てしまった感がある。こちとら幼少期(大体小学生)どっぷり80年代だったのでどうにもピンと来ていないが、今を生きる子たちにとって80年代とは自分たちにとって1950年代みたいなものなのだ…と計算してみて暫しの間呆然とする。

自分たちにとって1950年代といえば大昔だった。テレビはまだ各家庭になくあっても白黒で、街頭テレビとかテレビのある家に皆で集まるとかそんな感じ。映画だってまだまだカラーは少なかった。何しろ戦後すぐで高度経済成長前である。家電三種の神器もテレビ洗濯機冷蔵庫の時代だ…合ってるかな?

音楽の事を考えるとそりゃあもう大昔。ビートルズストーンズもデビューしていない。プレスリーがスターだった時代だ。そりゃもう大昔である。うち半分はロックンロールすら無いという。紀元前みたいな感覚だ。今の子たちにとっては、「80年代ボンジョヴィが大ヒットしてねぇ」と言えば自分たちが「50年代にプレスリーが大ヒットしてねぇ」と言われるのと同じなのか。こりゃ参った。

しかし、いうほど劇的に変化してないよね?というのがこちらの本音である。ボンジョヴィが今でもそんなに変わらず活躍している、という事からもわかる通り、ビッグアーティストたちが10年20年30年と活躍期間が伸びている。ビートルズだってレッドツェッペリンだって10年前後で消えていったのに。そう考えるとストーンズって異常ですね。エアロスミスが解散してもまだやるつもりだろうか…。

なので、自分たちにとっての「30年間の昔」と今の子たちにとってのそれでは、単純な比較が出来ないかもしれない。ここ15年の音楽の話題といえばフォーマットや流通形態の変化の話ばかりで、肝心の音楽の方はドラスティックな変化がない。たぶん、今の子たちは、そういう変化が起こり得る事すら知らないんじゃないか。

YouTubeを漁れば幾らでも過去の映像は出てくる。しかし、どうやって漁らせるのか。個々が好き勝手では潮流は生まれない。教育機関とかマスメディアとかの権力が動かないとどうにもならない。

それでいい、という考え方も出来る。もう音楽史は個々人のもので、統一した世代の見解とか必要じゃないんじゃないか、と。

ジェネレーションギャップは思わぬ方向からやってくる。その言葉自体、こちらから持ち出すものであって、既にギャップが生じているのかもしれない。埋める必要性すらウヤムヤな、コミュニケーション不全が起こる。それ位違うかもしれないし、逆に、こっちが吃驚するくらい何も変わらないかもしれない。実際に対話してみないとわからない。

32歳でこどもを生んで育てる、というのはそんな差を日々感じながら過ごす事だ。日付はわからないが、そろそろダヌパが誕生日を迎えてひとつ歳をとる。まだ喋り始めてはいないだろうか。音楽家の母として、どんな接し方をするのやら。自分が育ってきた90年代の音楽を聴かせた時、どんな反応をするか。まだきっと10年後の話だが、今から常に、その風景の見え方の違いを考慮して生きていく事は、きっと無駄じゃない筈だ。