無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

「人生最高の日」に

10曲目は『人生最高の日』。なんというか、解釈の幅を許さないくらいに直球のタイトルだ。これでこれが息子の生まれた日でなかったらダヌパ拗ねるよねぇ。

捻りに捻ってくるとしたら誰かを喪った日か。「愛する人を得るのはいちばんよい。その人を喪うのはその次によい」と言ったのは誰だったかな、たぶん、その人の後半生を最後まで見届けられた充足感の事を指しているとは思うのだがそれだって「その次によい」まででしかなくて、最良と呼ぶには程遠い。やっぱりその解釈は捨てるべきか。

結婚とか出産以外で「人生最良の日」と呼ばれる日なんてそうそうあるのかな。目下リオデジャネイロオリンピックの開催真っ最中だが、金メダルを獲った瞬間などは、そういった呼称が相応しいように思う。派手なガッツポーズで倒れ込むよそりゃあ。

となると、『人生最高の日』は、歌詞の内容はわからないまでも、もしかすると今後、たとえば金メダルを獲得した瞬間のバックグラウンドミュージックとして使われる機会が訪れるのかな、という妄想が膨らむ。現在も各局で五輪テーマソングを何度も何度も流し続ける洗脳活動が行われているが、あそこまで繰り返しフィーチャーされる事はないにしても、人々の心の片隅にすっと入り込むような、そんなメロディーを期待したくなってくる。

もう一つは曲順だ。10曲目とあってこの『人生最高の日』、アルバムのラストを飾る『桜流し』直前の曲となっている。『健やかな産声』『私たちの続きの足音』の前段に新しい命が生まれるてくる歌があればこれ以上ないほどにしっくりくる。ここはやはり、その観点からみても、ダヌパとの事を歌った歌、或いは、それをそれをモチーフとして創作された歌詞をもつ曲、というのが穏当な予想だろう。

あとは、『人生最高』のフィーリングを言葉にする事なんて出来なかった、と言ってこの曲がフル・インストゥルメンタルな曲だったら面白いが、はてさて。ラスト曲のひとつ手前がインストなのは定番だし無理もないだろう。確かに、こんなテーマを語るなら、無闇に言葉を並べない方がいいかもしれない。いや、歌詞があったらあったで勿論楽しみなのですがね。さて、どうなって、いるでしょうか。このアルバムを最後まで聴き切った我々が「今日は人生最高の日だ」と呟く可能性が、きっといちばん高いでしょうな。それくらいにハイ・クォリティーを期待して、構わないだろうて。