無意識日記々

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おはようのうた

感覚の話。『道』は『Goodbye Happiness』と同じ風景を共有しているようにみえる。そもそも「しあわせよさようなら」は「かなしみよこんにちは」へのアンサーソングじゃないけれどというタイトルだったのだが、今回は「さみしいけれどひとりじゃない」だからつまり「Hello Loneiness」とちょっと言ってる感じかな。なんだか「You say goodbye and I say hello」な感じがしてきたが、単純にポップチューンとは「挨拶」なのだ。『道』もまた、ヒカルからの挨拶だと解釈したい。それがさようならでもこんにちはでも。

真夏の通り雨』と『花束を君に』では『サヨナラ』と『さよなら』が描かれていた。『道』はまだフルコーラス聴けていないのだけれども、さしづめ「おはよう」にあたる曲になるかな。最後に「ひさしぶり!」とか入ってても面白かったけれども。

挨拶代わり、という意味では、アルバムの一曲目で

『かなしいうたもいつか
 なつかしいうたになる』

と宣言するのは重要である。ヒカルもよくよくわかっているのだ、今自分が書いて歌っている歌が、まだまだかなしみの直中にあるということを。最後に書かれた歌詞という事で、ある程度俯瞰でアルバム全体を眺められたという事もあるだろう。そういう意味では、恐ろしく気の早い話だが、次作は確約されたともいえる。

ヒカルは、自らの手で、これらのかなしい歌々をなつかしい歌にしていかなければならない。つまり、また新しい歌をすぐにでも書かなければいけない。それは、セールスがどうのという話ではなく、表現者としとの必然である。

照實さんが先日気になるツイートをしていた。コンサートをやるには一年半の準備が必要だと。それは、まだ何もしてないからあと一年以上待ってねという意味なのか、或いは、それくらい前からもう準備を進めてきてるんだもんねという意味か、さてどちらかはっきりしないが、仮に前者だとすれば、ヒカルはその間にもう一枚アルバムを作ってしまうかもしれない。つまり、次のコンサートツアーは2枚のアルバムを携えてという事に、なるかもしれない。えぇ、妄想が過ぎますね。

しかし、それくらいに『道』には未来を感じる。こんな変わったタイトルにしたのはきっと『未知』とかけているからに、違いないと思っておきたい。挨拶代わりというか、もうこれは、今から始まるスタートの歌だ。そしてそれは『Fantome』の先をも見据えるものだが、まずは新しい歌歌えるまで今はまだ悲しいラブソングの数々を、堪能しておく事に、いたしましょうか。