無意識日記々

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「お」

この感情は多分、次のアルバムに『Fantome』という名の楽曲が収録される事で解決する気がする。いや、次は流石に早過ぎるかな。いつか、にしとこ。

全米6位というのはインパクトが強い。全世界でも6位だそうな。単純に考えて、「Utadaのニュー・アルバム」と捉えられているのだろう。

最初、『Fantome』のサウンドプロダクションに触れた時、やけにモダンだなと思ったものだ。今のアメリカのヒットチャートに並べても違和感が無い、というそこまで積極的でもない意味に於いて、ではあるが。しかし歌詞は今まででいちばん日本語。プロモーションも日本オンリー。そういう場合、こういうサウンドは不利と思っていた。ぶっちゃけ、宇多田リスナーの9割は毎週全米チャートチェックしたりしてないでしょ? 俺もだ。いやでも時折AFNがBGMになってるので多少耳にはしているか。兎も角、そんな"平均的な日本人"にとって、海外チャート寄りのサウンドは親しみ難くとっつきづらいだけでは、と懸念していたのだ。しかし、全米で売れているとなると話が違う。Top10に入ってしまうと試聴してみようというレイヤーがかなり出てくる事が予想される。そうなった時に、『Fantome』のサウンドアメリカの皆さんに大変耳馴染みが宜しい。案外暫くiTunesチャートに残ってるんじゃないかという気がしてきた。はてさて、
どうなりますやら。

そいや、梶さんもこのチャートインの話題ツイートしてたけども、アメリカでのプロモーションて今回誰か何かやってるのかな。ゼロ?

余談だが、フィンランドでは1位をとったらしい。流石世界一メタルが盛んな国である。耳が肥えている。あと、歌詞を気にしないんだな(笑…デスメタルバンド幾つも在るからねぇ…)。


なんでこんなサウンドになったのかはサンレコとクレジットをみてからにするとして(まだ両方読んでない)。ヒカルがロンドンに住んでたのはやっぱり大きかったのかな、と思う。私は行った事が無いので何も言えないのだが、やはり彼の地には世界中から音楽が集まってきて常にアップデートされたサウンドに身を委ねる事になっているのだろうか。ヒカルが殊更意識しなくても、音づくりの段で自然に今様なサウンドが表れてきたのかもしれない。そういう話も、インタビューの未読部分で触れてくれてると有り難いなぁ。

今回はよく「久々にCDを買った」という話が出ているが、極端に言えば「『SCv2』以来の新譜CD購入」という人も結構居るのではないか。そういう人にとっては、「随分宇多田ヒカルサウンドも空気が変わったなぁ」と思えるかもしれない。いや、そう思っちゃうよねやっぱ。

それはかなり極端にしても(いや広い世の中「『First Love』以来のCD購入」という人も在り得る)、多かれ少なかれ似たような印象を持つ人は多いだろう。ここで2つクッションが必要だった。ひとつはUtadaサウンドに親しんでいたかどうか。特に、『This Is The One』に触れていれば大分印象は違ったであろう。もうひとつは、『Kuma Power Hour』だ。あの番組を一年間聴いてた人とそれ以外では、『Fantome』への親和性、耳馴染みはかなり異なったものになっている。あの番組は、番組中に流したのだから当然なんだが「『桜流し』以降の宇多田ヒカルの音楽に対する感性」に触れられる貴重な機会だった。あそこで「へ〜ヒカルちゃんこういうの聴いてるんだ」と思った人と通過しなかった人で『Fantome』の感想がかなり変わる。そう見ている。


もっとも、いつも言っているように、高い参照性を求める音楽なんてPopsとは呼べない。Popsとは、いきなりスピーカーから鳴らして「お」と思わせられるかが総てだ。その点、『Fantome』に収録されている楽曲陣は…

…ちと長くなり過ぎたな。続きはまた次回だね。