無意識日記々

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売上についての平凡な概観と総評

一方日本では初週25万枚。とんでもなく売れたなぁ。タイミングを逸して今回の売上予想をすっかり書いていなかったが、12万〜20万枚の間のどこらへんかと思っていた。これだけ幅をとって予想も何もないもんだが、それですらかすりもせんくらい売れた。異常事態だよこれは。

当初は同週のEXILEのベスト盤にすら勝てるかどうかという雰囲気だった。実際17〜8万枚だか売ったらしく、自分の最初の予想からしてもこういう数字を上回るのはかなり険しいかと思っていた。何つっても複数枚商法は固定ファンが何種類も買っていくから下げどまる。"通常盤仕様1形態"を貫いたヒカルは若干不利に思えた。負けたとしても「1形態でこれは凄い」と言う準備すら出来ていた。

それがまさかねぇ。2010年のSCv2の初動23万枚すら上回ったんですよ。累計で前作を上回るのは『HEART STATION』が初めてだったが、初動でも前作を上回る作品が出てきたという訳だ。Utadaは含めないのかとかシングルコレクションを同一に扱うのはどうなんだとかツッコミどころは色々あるけれど。

海外の売上とは異なり、国内での売上は収録曲の評価がまず最初に来る。事前に公開されてプロモーションしている訳だからね。皆それを目当てに買うだろう。いちばん大きいのは『花束を君に』だろうか。朝ドラ主題歌としてテレビから数百回、ひょっとすると千回以上流れてきたこの曲の知名度抜きに今作の売上は語れまい。多くの人にとってはこの曲が宇多田復活の狼煙だった事だろう。いや狼煙を上げるなら『荒野の狼』の方がいいかな。それはさておき。

真夏の通り雨』も勿論はずせない。多くの人がHave-a-nice-dream tuneとして就寝前にテレビから流れてくる同曲を耳にしていた。一度フルコーラスで聴いてみたいと思っても不思議は無い。

そして、発売前の怒涛の攻勢である。『桜流し』を披露したMステは20時台後半といういい時間帯の出演だったし、『花束を君に』『ともだち』『道』を歌った「NHK SONGS」は2010年の「今の私」を大きく上回る好試聴率を記録した。金曜日夜放送のLOVEMUSICも週末の売上に貢献した事だろう。

そして、『二時間だけのバカンス』だ。椎名林檎姐とのカップリングは、いわば90年代デビュー組からの「古き良き時代」の復権の象徴である。あの頃に音楽を聴いていた世代がこのデュエットに大きく反応したと想像するのはそこまで荒唐無稽じゃないだろう。

そしてトドメは『道』の101局パワープレイだ。メジャーレーベルならではの大胆な施策だった。

こうしてみると、梶さんの今回のプロモーション・コンセプト、「一曲に頼らず総力戦で」というプランは見事に結実した。彼の作戦なくして25万枚は有り得なかっただろう。勿論ヒカルの歌う楽曲のよさが大大大前提だが、今度ばかりは彼に平伏するしかない。参りましたm(_ _)m