無意識日記々

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伏線と意識させない伏線の張り方

『俺の彼女は趣味や仕事に…』の部分に差し掛かると、バックでポール牧ばりの指ぱっちんが炸裂する(他に言い方はないのか)。どうにも、私が年寄りなせいか、こういうのを耳にすると「ウェストサイド物語(ストーリー)」を思い出す。ミュージカルだ。

そいや私まともにミュージカル見た事ないなぁ。ミュージカル映画なら幾つか見た観た事がある。「レ・ミゼラブル」は素晴らしかったな。「メリー・ポピンズ」の「チムチムチェリー」は私のルーツソングのひとつで…って話が逸れたぜ。

Hikaruの過去曲で似た雰囲気のアレンジがないかと頭を巡らすと、そうそう、『Poppin'』がある。あちらは指ぱっちんではなくスネアの代わりにクラップ音(手拍子)を宛てている感じだが、狙いは同じだろう。ミュージカル風味を出す為である。

手拍子といえば、拍手と時々混同されるよね。前者はリズムあり、後者はリズムなし、なのだが、拍手をランダムに打つのは意外と難しい。周りとタイミングを合わせたら手拍子、合わせなかったら拍手、という分類の方がモアベターか。また話が逸れたな。

『Poppin'』では、Hikaruが『Girls!』と呼び掛ける。まぁ典型的な「男子と女子の対立構造」だが、これもそういや「ウェストサイド物語」だな。プエルトリコという地名を覚えたのもこの映画だっけ。未だに正確な位置を把握していないぜ。プエル・トリコじゃなくて、プエルト・リコなんだってねぇ。日本語でも、最近は少なくなったけど「やむをえない」を「やむ・おえない」と切る人がよく居た。「止むを得ない」=「Can't Stop Doing」なのだからと思うんだが、人間、構文を分析的に把握しているとは限らないよね。…あぁ、また話が逸れ…てもいないな、えぇっとね。

ここの次の歌詞が『帰りが遅くなっても きかない』で一旦切れるのよね。文章をどこでどれくらい切るか、って大事でな。ここに一瞬間が空くからリスナーは「ん?どういうことだ?」と一瞬立ち止まる。するとすぐに『細かいこと』が続いてくるから「あぁ、"帰りが遅くなっても細かいことをきかない"という話なのね、わかったわかった」となる。つまりここはただの倒置法として話は収束する。今書いた「あぁ、」には「なぁんだ」という少し拍子抜けな感触が漂う。拍子とは上記の通りリズムありの状態の事で、リスナーは今一瞬曲のもつリズムから離されたのだ。

実は、ここが本当に巧みなのだ。この「拍子抜け」が伏線になっている。次回はそこのところの話から。


追伸的に記しておくと、『俺の彼女』にしろ『Poppin'』にしろ、ミュージカル風にアレンジを施す時Hikaruの歌い方は「ロールプレイ」になる。役割を演じる、その為にその時、曲調がミュージカルになる、と言ってもいいか。Hikaruのミュージカル好きは初めて自分で買ったカセットテープが大好きな「Part Of Your World」を含んだ「Little Mermaid」のサウンドトラックだった位だから、きっと筋金入りのミュージカル好きだ。ここはひとつ、ミュージカル嫌いで有名な(有名だった、かな)タモリと大激論を交わしてみて欲しいが、次にミュージック・ステーション出るのいつになるんだろうね。番組名を「ミュージカル・ステーション」に変えちゃう勢いでつっかかっていって欲しいぜ。