無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

映画「鎌倉ものがたり」主題歌

ほーん。油断しとったわ。そろそろだと思っていたが今日とはね。今週は藤圭子さんのデビュー記念日とか『Fantome』一周年とかかな、と思っていたが、新曲発表。漫画原作実写映画タイアップ。やれやれ、自分としては完全に寝首をかかれた。

『あなた』。新曲のタイトルだ。これはどう解釈したものか。自分より上の世代にとっては、歌のタイトルで『あなた』といえば小坂明子なのだ。タイトルかぶりをするには、ちょっと有名過ぎやしないか。

昨年は最大級のタイトルかぶりがあった。アニメーション映画「君の名は」。自分の親の世代なら岸恵子、自分の世代なら鈴木京香が主演女優のすれ違いラジオ/テレビドラマと同名だった。しかし、世代の大幅な違いとずば抜けたヒット規模で名前被りなんていう野暮なツッコミはどこかに消え去っていた。今言われて「そういえば」と思い出した人も多かろう。被っても状況次第では大丈夫だと思う。

ヒカルの「あなた」も、大丈夫だろう。今更小坂明子の歌がどうとか言い出す人もそうそうは出てこない。ついでに言って、それっきりだろう。きっと私もそう。でもカラオケで検索したらいつも隣に出てくるのかな。まぁそれはそれで。

そしてタイアップ相手の「鎌倉ものがたり」、主演女優は朝の連続テレビ小説とと姉ちゃん」に引き続いて高畑充希だ。いやはやご縁。当の高畑もことのほか喜んでいる旨コメントを出している。高畑ファンからすれば「主演やるんなら主題歌も歌えばいいのに」というのが本音なのだろうが「尊敬する宇多田さんなら仕方がないか」とも思ってくれていると期待する。どうかお邪魔じゃありませんように。

トレイラーでは早くもその『あなた』の一部が聞ける。歌いだした瞬間、「歌い分けで楽曲展開の伏線を張り換える」という手法に気がついた。楽譜上では多義的に解釈可能な可塑性の高いメロディーを、歌唱法の違いによって歌い分けて聴き手の心理を恣意的に誘導する。また大胆な事をするもんだ。恐らく、ここで聞けるパートよりよりおどろおどろしいというか怨念めいたというか、もっと映画のビジュアルイメージに近いメロディーが登場するのだと思うが、高畑や主演の堺雅人の感想を読むともっと心暖まる曲調のようだ。どうなっているのか。いずれにせよ第一印象は、例によって「全体を聴かないとこのメロディーの意図は掴みきれそうにない」というものなので、歌自体について語るのは少し後回しにしようかと思う。デビュー記念日に映画封切り、その前日に主題歌配信開始と逃げられない状況が揃った。マチェイ・クーチャによる新しいアー写も期待通り素晴らしい。夏の終わりが僕らの多忙の始まりである。やれやれだ。