無意識日記々

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ハトステアルバム発売11周年記念日

というわけで明けて晴れて『HEART STATION』発売11周年記念日である。打ち込み主体だが意図的に「やわらかい音」が駆使されているのでサウンド全体の印象は夢寝見心地というかパステルカラーとビビッドカラーのハイブリッドなスイーツとクッションとぬいぐるみに囲まれてるような感じだ。うまく伝わるかな。或いは虹色のシャボン玉に埋もれてるような。直接虹色バスやね。

今のシックで落ち着いたジャズとクラシックロックと弦楽の生音とは随分距離があるのだが、結局デビュー時から作詞が油断していない為こどもっぽさみたいなものは皆無。『ぼくはくま』が収録されているといっても歌い方は慈愛に満ちたおとなっぽいものだ。それ以上に寂しいのだけれど。

そういう意味では「今のサウンドが30代半ばらしい落ち着いてオーガニックなもの、11年前のサウンドが若々しくてメカニカルで合成甘味料的」というような紋切り型の分類を可能にしつつも、年齢に関係のない宇多田ヒカルというアーティストとしての資質の揺るぎなさみたいなものも感じさせて、今更ながら奇跡的なバランスを具現化し続けているんだなと感服し直さざるを得ない。結局、こんなの他の誰も作れないんだなと。ヒカルも『Fantome』作ったときに二度とこんなの作れんと自分で言っていたが、再現性皆無の一期一会をこうやって表現しきって発表してくれた事に改めて感謝の意が湧いてくる。

もっと欲張るなら、6年半の間に公表されなかったその時の創作物もいつか日の目を見れたらなとも思うのだけど、ヒカルのことだから何年も前のアイデアを取り出してきて作り直すような事もするだろうし、要するにタイミングがないだろうな。まぁそれは引退した後にヒカル以外の人間に任せる事かもしれない。願うならそんな日は来て欲しくなく、ならばそういった未発表音源はいつまで経っても日の目をみない。それももどかしい。

『First Love』15周年デラックスエディションのような企画がもっと欲しいが、それもまたヒカルが長期休養に入っている事を意味するので痛し痒し。

つまりだ。欲張り過ぎると碌な事がない(笑)。やっぱりこうやって、自主的に過去の名盤を引っ張り出してきてその素晴らしさを讃え直しつつ次なる新情報を待つのがいいんだろうね。新たな発見が、あるかもよ。