裸婦抱く映像商品を聴いていると歌もそうだが演奏の印象が自分の観た横浜2日目と随分違う。つくづく音楽はナマモノなんだなと思う。
自分が複数回観たツアーと言えば『UTADA UNITED 2006』だが歌と演奏の印象・評価が各会場で悉く異なった。歌も演奏も総てがダメだった静岡1日目、突如として輝きを増した歌と相変わらずダメダメな演奏を披露した静岡2日目、皆さんがDVD他で慣れ親しんでいるさいたま2日間、そして総ての歯車が噛み合った最終代々木2Daysとまぁよくぞそこまでバラバラの出来を見せられるもんだと感心した次第。そりゃ中には「ウタダの生歌はダメ」と断ずる人も出てくるよなと納得。
特に演奏面に関しては、皆さんプロフェッショナルとはいえそりゃあれだけ個性の強い音楽家たちが寄り集まって全員気が合う筈もない訳で、ウタユナは多分まぁあの人とあの人の相性が…って行き過ぎた憶測でそういうことを言うのは辞めておこうね。
それを考えると『WILD LIFE』の演奏の出来の良さは奇跡的でな。固定メンバーでもないのにあれだけライブならではの魅力に溢れた演奏を繰り広げられたのは驚嘆に値する。それも本番はたった2日間だ。普通であればツアーを重ねていくうちに初顔合わせのバンドメンバーたちは相互理解を深めつつ徐々に纏まっていくものだろうに『WILD LIFE』はまるでそれが2ヶ月続いたツアーの最終2日間であったかのように演奏が極々自然であった。その上、現実には初日2日間であったが為にヒカルの声が疲弊しておらず大変瑞々しい。こういう組み合わせになる機会は、もしかしたら今後二度とないかもしれない。ツアー序盤は演奏はぎこちないがヒカルの声は真っ新で、ツアー終盤は演奏は熟れているがヒカルの声は疲れていて、というのが本来の現実だ。こういう言い方は携わった方々に大変失礼なのだが、とても運がよかったのだと思う。
それがこうやってしっかり記録されていて。当時は映画館でライブ・ビューイングもあったもんねぇ。多くの人びとに鑑賞して貰えたのは僥倖だ。
何故か今回の裸婦抱くは落選者も多数居てはるのにライブ・ビューイングがなかったが、最終日に音漏れを経験した身として言わせてうただきますと、ライブ・ビューイング会場としては映画館とかよりバースタンドのあるライブハウスとかの方が楽しめるんじゃないかなと思ったり。めいめい、じっくり聴きたい人もあればはしゃいで盛り上がりたい人もあるだろう。そういうセッティングも今後の課題になったらいいなと。
裸婦抱く映像商品も、ニコ生世代としては時間が経ったら皆で時間を合わせて実況鑑賞とかしてみたいのだけれど、SONYさん何か新しい技術とか無いのかなぁ。肝心のニコニコ動画/生放送に元気がないからねぇ今は。ヒカルなら『20代はイケイケ!』のように、いざとなったら全部自前で用意出来てしまうほどのスポンサーを集められるから既存のサービスに頼り切らなくったってよいのだけどね。そんときゃよろしくですよっと。取り留め無いけど今宵はこんなところで。