無意識日記々

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違和感が無いのが違和感て言わなあかんやつ

つやちゃんさんとのインタビューからガッツリ引用。

『私のバランス感覚の指針は「気持ちよさ」ですね。気持ち良いと思えるのが、私にとってはちょっと違和感がある(状態)。なさすぎると、単調で気持ちよくない。もしくは一瞬気持ちよくても薄れちゃう。言葉もその一つの要素で、凄く聴きいらないと分からない歌詞にいっぱい違和感がある音楽を合わせても訳が分からないし、音楽って一歩間違えるとカオスになる。逆に振りきれちゃうとつまらない。その間にスイートスポットがあって、そこが私が思う「ちょうど良い違和感」ですかね。』

https://news.yahoo.co.jp/articles/c846338fa9875238e1f7a7b9458ecba793515ed2?page=2

この「その間のスイートスポット」「ちょうど良い違和感」というのはかなり普遍的な概念で、曲作り歌詞作りのみならずあらゆる時間的な側面の強い創作総てに当て嵌る。これテーマで本10冊くらい書けそうだがそんな暇あったらそのノウハウを駆使した曲を書いた方がいいな…それはさておき。

で、そこがね、『Find Love』の唯一?気になっている点で。聞こえてくる15秒なり30秒なり60秒なりが、余りにも違和感無さ過ぎなのである。素直に拍の頭を打ち続けるバスドラ、コード進行の通りに乗っていくメロディライン、素直な符割りの歌詞、エキセントリシティの欠片も感じられない歌い方など、本当にすぐにすっと入ってきて気に入ってしまうサウンドだ。それの何が悪いんだと言われると別に何も悪くないんだけど、こんな“フツー”な曲をヒカルは気に入っているのかと余計な心配をしてしまっている。

今までだったらフルコーラス聴いた時に思いもよらない展開が待ち受けていて面食らう─のがいつものパターンだったのだが、こと『Find Love』に関しては裏の裏だと思ってるんだ私。つまり、このリズム、このテンポこのメロディのまま4分が終わる曲なんじゃないかと睨んでるのよね。

というのも、『Find Love』はUTADA名義ではなく宇多田ヒカル名義だからだ。日本語圏のリスナーにもアピールする事をよくよく考えているんだと思う。寧ろそこがメインな勢いで。

UTADA名義の曲だって『Easy Breezy』なんかはサビに『コンニチワサヨナラ』なんて入れたりして日本語民にもとりわけわかりやすい仕掛けをしてきたりもしていたのだから、資生堂のCMで流される曲を日本語民向けに書かないということはないと思われる。

ただ、これも一抹の不安が残るのでして。タイアップ相手が寧ろ「完全洋楽路線」を所望してきてるのではないかというのも有り得るからだ。無為に日本語の歌が流れてくるより印象がスタイリッシュになる一方、画面の上には誰でもよく知るヒカルの顔が。という対比的なコンセプトを立ててきてのこの結果なのかもしれない、と。オシャレな洋楽と親しみのある顔っていうね。ヒカルが今回どこまでタイアップを考慮に入れて曲作りをしてきたかはまだまだ不透明だけれども、「POWER IS YOU」というキャンペーンにがっつり組み込まれている雰囲気なのを考えるとかなりやりとりがあったんじゃないかなと思うのだった。

今回の予想はいつにも増してかなり危なっかしい。推測に推測を重ねてるからね。今まで以上に「フル解禁早よ」と私が連呼しているのは、違和感が無さ過ぎて逆に不安になり始めているからだ。余りにも落ち着かない。なんだこの「違和感が無いのが違和感」な状態は。今回のヒカルは、いつも以上に謎めいている気がします。…落ち着かんからオチもつかんぞ今回は!(笑)