あらあら、週刊KODOMO新聞7月15日号の「クマって「めいわく」?」特集にヒカルからのコメントが寄せられてるんだってよ。そういうのは公式で教えてくれないとっ! 勿体無い事この上ない。
https://www.yomiuri.co.jp/kodomo/fromeditor/notice/20210713-OYT8T50023/
その語り口は最早「クマの論文で博士号をとりました」とでも言いたくなるほど流暢かつ落ち着いたものだ。この原稿で授業20年やってますみたいな貫禄を感じる。この記事っていつまで残ってるもんなんだろ? 知らないのでひとまずスクショ保存必須かしらん…。
自分もヒカルに倣って(?)クマ崇拝に関してはダラダラグダグダとネットサーフィンしたことがある。確かに、信仰対象としてのクマの存在は太古の昔から存在感が大きかったようだが必ずしも研究者が多いという印象は持たなかった。これ、ヒカルが復学したらクマ学で学士や修士や博士をとるのは冗談では済まないかもねぇ。
それにしても、こうやって「クマ好きの有名人」として認知されているのは嬉しい限り。やはり『ぼくはくま』をリリースしたのが大きかったのね。今までそんなにアー写にクマ・チャンをフィーチャーしてはこなかったろうし。あったのは『HEART STATION』とそれに伴うレコチョクCMでギカントの首をとった事くらいか。でもそこまでオンエア多くなかったかな当時も。うちらはCM動画埋め込み機能で気がついたらクリック再生してたからお馴染みになりまくってしまったのだけどそれも13年前の話となると今は昔。
しかしこのヒカルのコメント、本当にこのままテンプレになるかというくらいによく整っていて感心してしまった。さかなクンさんが魚類について語る時のように澱み無い。書いてある内容自体はググれば出てくる事ばかりで新鮮味はないかもしれないが、クマについてよく知らない人に対しても何を何から話せばいいのかも熟知した上で要点を簡潔にまとめてある。これからすると、ヒカル、今まで散々周りにクマの素晴らしさを力説してドン引きされるのを繰り返してきたのだろうか…二十歳の誕生日にクマ・チャンに出会って以来18年の時を経てその力説を鍛錬していってこの域にまで達しているのだとすれば誠に感慨深い。「大きなぬいぐるみっていいなぁ」という共感の呼びやすい導入部に自身の体験を絡ませ、最終的に『もしかすると私たち現生人類の歴史よりも、クマ崇拝(クマ好き)の歴史は長いかもしれないのです。』という壮大な結論を導くまでの自然な流れを無意識日記の半分の長さで構築するというのは、宇多田ヒカルのいつもの曲作りの巧みさ(平易で具体的な導入から普遍的で壮大な結論への構成)と同じくしてコメントを寄せている事が感じられて、失礼ながらミュージシャンとしては非常に瑣末な仕事である筈なのに音楽家としての個性を存分に注力したその姿勢にリスナーとして非常に満足感を覚えたのでした。朝からええもん読めたわ。