無意識日記々

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曲折を経た情況

またもKODOMO新聞にヒカルのコメントが掲載されて話題を読んでいるが、本筋とは全く関係ないところでツッコミが入っている。

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宇多田さんは10代の頃からヒット曲をつくり活躍を続けていますが、アルバム「Fant●me」(2016年)以降、特に「喪失感」が歌の核に据えられることが多いと感じています。

(中略)

※●はoにサーカムスタンスを付した文字

https://www.yomiuri.co.jp/kodomo/fromeditor/notice/20210802-OYT8T50047/

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「サーカムスタンス」の所は正しくは「サーカムフレックス」で、アルファベットの上につける記号「^」を指す。担当者は新聞記事をウェブに起こす際、昔ながらのガイドライン機種依存文字は使用しない」に従って文字を置き換えようとして予測変換の甘いワナに嵌ってしまったのだろうな。「サーカム」まで打って油断してしまった。確かに、英単語としてはサーカムスタンス(circumstance/情況、環境)の方が遥かに頻出だからね。サーカムフレックスより先に出てきても何ら不思議ではない。「曲折アクセント」だなんて日本語知らんよそんなん。

これだけスマートフォンが普及してる中で今更「機種依存文字」もないだろうに、未だに古いガイドラインを直さない体質が今回の誤字を招いてしまったとも言える。

ただ、あたしもずっと『Fantôme』の事を『Fantome』と書き続けてるので人のことを全く言えないんだな。ガラケー時代が長くて、いや、何なら未だに物理キーが恋しくて堪らないのだけれど、その頃からの癖でやっぱり機種依存文字は自然と避けてしまう。顔文字入れる時ですらASCIIだのUnicodeだのといった単語がちらつく。

そもそも、『Fantôme』の事を『Fantome』と書いても誰も何も困らない。なんだったらヒカルもこう書いてる事あるかもしれんし。案外そゆとこ寛容。ただ『DISTANCE』と『FINAL DISTANCE』は全大文字で書かないとだけどね。アルバム名の『Distance』と区別しなきゃいけないからね。

という風に表記に関しては思ってたんだけど、そろそろいいかなぁ。何しろ予測変換ってのは便利なもので、今や「ファントーム」とカタカナで打てば『Fantôme』が第一候補に出てくる。そっちを使うのが自然かわからんな。日本語だって例えばひらがなの「ゆ」「さ」「そ」のように書き方が二種類あっても特に困らないケースもあるし。サーカムフレックスをそれと同列に語るのは流石に無理があるけれど、こと宇多田ヒカルのアルバム『ファントーム』に関しては『Fantôme』でも『Fantome』でも別にどちらでも構わないだろう。ヒカルが今後「Fantome」という作品をリリースして「紆余曲折を経てここに辿り着きました(曲折アクセントなだけに)」とかつまらんことを言い出さない限り(笑)、ふたつの表記を気分で併用していきたいと思います。─ん?それだとあとから読み返した時に紛らわしい!? いや、それを言うならあたし2018年までずっと『First Love』のこと「初恋」って略してた訳で、遡ってそれ全部訂正しなきゃいけないじゃないですか……いくらなんでも、いやそれは無理。